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『つるし柿』笹屋伊織【京都の和菓子図鑑】1

京都和菓子図鑑
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商品名:つるし柿
評価:★★★★★
金額:1個 525円
原材料:干し柿、小豆、砂糖、餅粉、麦芽糖、水飴、トレハロース、寒天、酸化防止剤(二酸化硫黄)
賞味期限:常温で7日
特記:毎年10月から翌年1月はじめにかけてジェイアール京都伊勢丹店でのみ発売される(実際の所は、全国伊勢丹において販売)
公式ホームページ:笹屋伊織


徳川吉宗が八代目将軍に就任した1716年に創業した笹屋伊織。伊勢の城下町田丸で御菓子司をしていた初代・笹屋伊兵衛が御所の御用を仰せつかり、京へと呼び寄せられたことからその歴史は始まりました。以来、有職菓子司として京都御所や神社仏閣、茶道お家元の御用を務める(28軒のみが御所御用達になる)。笹屋という屋号を持つ和菓子屋の全ての総本家が『笹屋伊織』です。

代表銘菓は毎月3日間(20、21、22日)のみしか販売されない「どら焼き」です。

素晴らしい包装です。このミニマルさこそ和の真骨頂です。

ひとつ525円という高価な和菓子です。

箱を開けると・・・

ひとつひとつ丁寧に包装されています。

包装から中身を取り出しました。外見は干し柿です。

しかし、中には、求肥と小倉つぶあんが詰め込まれています。

どうやって中に詰め込んでいるのでしょうか?

創業280年を記念して作られた「つるし柿」。全国の伊勢丹5店舗でのみ限定販売されており、しかも販売期間は、10月から翌年1月はじめという僅か3か月間の希少価値の高い和菓子です。

外観は、ただの干し柿なのですが、中にはどのようにして詰め込まれたのか不思議に感じるほど見事に小倉つぶあんと求肥が隙間なく詰め込まれています。ちなみに求肥(ぎゅうひ)とは、白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練りあげたものです。

その発想の独特さは、和菓子のレイヤードにあります。つまりは、和菓子をコンバインして食べるという贅沢な発想です。

干し柿の触感と小倉つぶあんの甘みを噛みしめている間に遭遇する求肥のもっちり感が、干し柿に独特の生命力を生み出しています。ちなみに、干し柿は、長野産の市田柿が使用されています。市田柿は、通常の干しブドウの3倍のポリフェノールを含む全国の干し柿の中でも最もヘルシーな干し柿と言われています(ちなみに干し柿生産日本一)。その白く柔らかく粉が来た見た目を生かし高級和菓子に重用されています。