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【エスカーダ】セクシー グラフィティ(ドミニク・ロピオン/ローラン・ブリュイエール)

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©ESCADA
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セクシー グラフィティ

原名:Sexy Graffiti
種類:オード・トワレ
ブランド:エスカーダ
調香師:ドミニク・ロピオン、ローラン・ブリュイエール
発表年:2002年
対象性別:女性
価格:30ml/4,500円

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エスカーダとは?

エスカーダのイエローコートを着たダイアナ元妃、1986年。

1998年のオスカーにて、エスカーダのドレスを着たキム・ベイシンガー。

1976年にドイツ・ミュンヘンで創業された高級ファッション・ブランド、エスカーダの歴史は、当時結婚したばかりのマルガレッタ・レイと、その夫ヴォルフガング・レイによるニットウェア・ブランドからはじまりました。

マルガレッタはスウェーデン出身のファッションモデルとして、60年代にはクリスチャン・ディオールやジャック・ファットのためにパリコレのモデルを務めていました。そして、60年代後半より、スウェーデン王室御用達テーラーのデザイナーを経て、ニットウェア・ブランド「モンティ」のデザイナーとして経験を積んでいました。

エスカーダというブランド名は、二人を運命的に引き合わせた競走馬の馬名から採ったものでした。

80年代に、大胆な色の組み合わせ、豪華な刺繍、ヒョウ柄など、女性として生きる喜びを代弁するデザインを生み出し、社会進出する女性のステイタス・ブランドとしての地位を固めてゆきました。そして、1980年代に躍進したヒューゴ・ボス、ジル・サンダーと並ぶ『西ドイツ旋風』の立役者となったのでした。

1986年にはダイアナ元妃がベルリンを公式訪問した際、エスカーダのイエローコートを着用したことから、エスカーダ=ドイツ・ファッションのイメージが不動のものとなりました。さらに、1998年には『L.A.コンフィデンシャル』でアカデミー助演女優賞を獲得したキム・ベイシンガーが、レッドカーペットドレスとして、エスカーダを着たことにより、その世界的な知名度は決定的なものとなりました。

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そんな中、1990年に発表したファースト・フレグランスが「マルガレッタ レイ」でした。それは80年代のスーパーモデル旋風を連想させる、ピーチとココナッツがホワイトフローラルをクリーミーに溶かしてゆく華やかなフロリエンタルの香りでした。

しかし、世界第4位のファッション企業に上り詰めている最中の1992年に、マルガレッタは56歳の若さで癌により死去しました。

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1993年から始まったエスカーダのサマー限定フレグランス

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エスカーダの春夏コレクションにインスパイアされ生み出されるサマー限定フレグランスが、1993年よりスタートしました(日本での取り扱いはブルーベル・ジャパン)。

1993年に発売された最初の香り「シフォン シャーベット」は、アン・フリッポにより調香されました。以下、有名調香師によるものだけリストアップしてみましょう。

  1. ジャルダン デュ ソレイユ(1996)ソフィー・ラベ
  2. ラヴィング ブーケ(1999)アニック・メナード
  3. テンダー ライト(1999)ベルトラン・ドゥシュフール
  4. リリー シック(2000)フランシス・クルジャン
  5. イビザ ヒッピー(2003)ミシェル・アルメラック
  6. ムーン スパークル(2007)オーレリアン・ギシャール
  7. フロール デル ソル(2020)オノリーヌ・ブラン、ナタリー・ローソン
  8. チェリー イン ジャパン(2021)オノリーヌ・ブラン

そして、このコレクションのうちのひとつとして2002年に発売されたのが「セクシー グラフィティ」でした。ドミニク・ロピオンローラン・ブリュイエールにより調香されました。

世界中のティーンエイジャーの憧れのバービー系フレグランスとして、時代の波に乗り、コレクション最大のヒット作となった香りです。2012年に一度だけ復刻されました。

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〝ストロベリー・タイム=落書きのような恋の香り〟

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エスカーダのサマー限定フレグランスは、日本列島を、ルーズソックスを履いたコギャルたちが席巻した1993年から、ともに歩を進めるようにはじまりました。

そして1995年のアムラー旋風を経て、2000年代に入り、浜崎あゆみがブレイクし、白ギャル&お姉ギャル旋風が吹き荒れる中、日本列島に上陸したのが「セクシー グラフィティ」でした。

〝セクシーな落書き=落書きのようなセクシーなメイクアップ〟と名付けられた〝真夏の果実の香り〟は、はじまりからおわりまで、フルーティなストロベリーとラズベリーが素肌の上を甘酸っぱく駆け巡ります。とても騒々しくて、ハッピーな、21世紀に突入したばかりのティーンエイジャーそのままの香りです。

まるで瞬間冷凍したストロベリーとラズベリーとクラッシュドアイスムスクを合わせたスムージーが、若い素肌の上で引き延ばされてゆき、体温で、とろけるように匂い立ちます。

若い素肌の上で解凍されていく情熱の赤いベリーたちを祝福するように、パウダリーなヴァイオレットとピオニーがメイクアップしていくようなコスメティックな香りを解き放ってゆきます。

そして、早熟な肉体に露出が高い衣服を着せていくように、はちきれんばかりの若さを、人工的なセクシーさで補強していくようなストロベリー・タイムに身も心も溺れていくのです。

映画『アメリカン・グラフティ』 のキャッチコピーじゃないですが、「2002年の夏、あなたはどこにいましたか?」というキャッチコピーがピッタリな、まだまだ洗練されていない〝落書きのような恋の香り〟です。

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香水データ

香水名:セクシー グラフィティ
原名:Sexy Graffiti
種類:オード・トワレ
ブランド:エスカーダ
調香師:ドミニク・ロピオン、ローラン・ブリュイエール
発表年:2002年
対象性別:女性
価格:30ml/4,500円



トップノート:ラズベリー、ブラック・カラント、ストロベリー、ピンク・グレープフルーツ、カッシア
ミドルノート:ヴァイオレット、レッド・ピオニー、スズラン、百合
ラストノート:ムスク、カシュメラン、バニラ