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【ゲラン】ムスク ウートル ブラン(デルフィーヌ・ジェルク)

ゲラン
©GUERLAIN
ゲランデルフィーヌ・ジェルクブランド調香師香りの美学
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ムスク ウートル ブラン

原名:Musc Outreblanc
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:100ml/46,200円、200ml/66,000円
公式ホームページ:ゲラン

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六代目王位継承にもっとも近い人、デルフィーヌ・ジェルク

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2005年、パリ・シャンゼリゼ通り68番地のゲラン本店のリニューアルオープンを記念して発売された「ラール エ ラ マティエール(芸術と貴重なる生の素材)」コレクション。

この〝世界で最も貴重な原料を使ってゲランのパッションを表現して欲しい〟というコンセプトにより生み出されるコレクションの最新作として、2022年4月8日(フランスでは1月20日)に「ムスク ウートル ブラン」が発売されました。

ホワイトフローラルの香りは、ゲラン帝国の香料確保のため世界中を飛び回っている五代目専属調香師ティエリー・ワッサーの代わりに、新作の調香を担当するようになったデルフィーヌ・ジェルクによって調香されました。

全ての「ラール エ ラ マティエール」の香りは、ある貴重な1つの素材に絞り、それをいまだかつてない芸術的な側面から、新たな光を当て、素材の深みやコントラストを強調することにより生み出されています。

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ロダンの『接吻』を、ホワイトムスクで表現した香り

『接吻』オーギュスト・ロダン

現在六代目調香師としての王位継承のための試練を受けている状況とも言える〝美貌の調香師〟デルフィーヌ・ジェルクが、オーギュスト・ロダン(1840-1917)が1882年に創造した『接吻』からインスパイアされ生み出したのがこの香り「ムスク ウートル ブラン」です。

ダンテの『神曲』とボードレールの『悪の華』から触発され創造されたロダンの『接吻』は、絡み合った身体が螺旋を描くように重なり合い、ひとつの大理石となり、二人の愛の瞬間を〝永遠〟のものとした彫刻作品です。その世界観を香りで体現しようとしたこの香りは、螺旋を描くムスクの星雲の中に、〝永遠〟を見つけ出そうとした〝白を超えた白いムスク〟なのです。

ロダンが大理石から最も純粋な〝愛のカタチ〟を生み出したように、ゲランは三種類のホワイトムスクとアンブレットシード(植物性ムスク)とアイリスのブレンドにより、最も純粋な〝愛のカタチ(カオリ)〟を生み出そうとしました。

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「結晶した悪は、白い錠剤のように美しい」

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ホワイトムスクの質感を高め、どこまでも清らかで、どこまでも肌に馴染む香りに仕上げました。無垢と官能の間で、肌に溶け込み、一体となる香りです。

デルフィーヌ・ジェルク

ロダンの『接吻』は、全裸でキスをする二人という設定であるにもかかわらず、どの角度から見ても唇と唇が重なり合う部分が見えないように作られています。

〝白を超えた白いムスク〟という名のこの香りは、ロダンが大理石を通して見いだしたものを、ホワイトムスクを通して見いだそうとしているのです。

それはまるで三島由紀夫が自決するまえに書き上げた『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の中の一文「結晶した悪は、白い錠剤のように美しい。」を連想させるほどに、美しい白いムスクの香りなのです。

閃光のように煌きつつ、肌の上に舞い落ちるホワイトムスクに、鮮やかなネロリの光線が交錯した瞬間、〝究極の白〟は、暗黒さえも呑み込んでいく、燃え尽きるような白へと昇華していくのです。うっとりするような『白の衝撃』のはじまりです。

すぐにジャスミン、オレンジ・ブロッサム、ブルガリアン・ローズのホワイトフローラルの香りが解き放たれます。身をよじらせる花々は、まさに一体化し、白に溶け込もうとしているように、それぞれの花々の中に潜む〝白〟を発光させてゆきます。

やがて、パウダリーなアイリスと(洋ナシのニュアンスを持つ)アンブレットシードが、ホワイトムスクの中に輸血していくように、白い液体をなみなみと注ぎ、ホワイトムスクにいのちを吹き込んでゆくのです。

そして、最後に、ミルクとサンダルウッドがホワイトアンバーに溶け込み、滑らかに柔らかい、自然のぬくもりを感じさせながら、白い妖精と蜜蜂の住む静寂の世界を肌の上に生み出してゆくのです。それはまるで香りが生み出す〝愛のカタチ〟の究極形態を、私たちの肌の上で、愛撫するように生み出してくれているようです。

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「ネロリ ウートルノワ」との『白と黒のネロリ』比較

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ちなみにこの香りは、2020年2月にゲランの限定の香りとして発売された「ルール ブランシュ」の延長線上にある香りであり、「ネロリ ウートルノワ」とは双子の関係にある香りです。

ここで使用されているネロリは、チュニジアのナブール地方で収穫したビターオレンジの花から24時間以内に水蒸気蒸留し抽出したネロリであり、両方で使用されています。

この香りにおいては、ネロリにホワイトムスクをブレンドし〝白を超えた白〟を生み出しています。一方、「ネロリ ウートルノワ」においては、ネロリにブラックティーをブレンドし、〝黒を超えた黒〟を生み出しているのです。

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香水データ

香水名:ムスク ウートル ブラン
原名:Musc Outreblanc
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:100ml/46,200円、200ml/66,000円
公式ホームページ:ゲラン


トップノート:ホワイトムスク、ネロリ、アンブレットシード
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、アイリス、ブルガリアン・ローズ
ラストノート:ミルク、サンダルウッド、ホワイトアンバー

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