メゾン フランシス クルジャン
Maison Francis Kurkdjian 1995年にジャン=ポール・ゴルチエの「ル マル」でセンセーショナルなデビューを果たしたフランシス・クルジャン。2006年9月には、マリー・アントワネットが愛した香りを見事に再現し、2009年にメゾン フランシス クルジャンを創業する。
最初の香りとして、「アクア ユニヴェルサリス」を含む7作品を発表し、ミニマルな時代にマッチしたボトルデザインと香調により、あっという間に世界中に店舗を拡大する。2017年以降は、LVMHグループの傘下に入り、他のニッチ・フレグランスにはない独自の世界観を確立。
代表作
アクア ユニヴェルサリス(2009)
ウード(2012)
ア ラ ローズ(2014)
バカラ ルージュ540(2015)
プティ マタン(2016)
アクア セレスティア(2017)
ジェントル フルイディティ ゴールド(2019)
フランシス・クルジャン 調香界のプリンス
アクア ユニヴェルサリス シリーズの全て
2009年に誕生した「香りの宮殿」
香水業界は変わりつつあるのだ。ごみみたいな香水―安いコストでほんの数ヶ月で構成し、有名人を広告塔に突飛な宣伝文句を謳って売る―の時代はようやく終わりに近づいている。品質のよいものだけがこれからは勝ち残れる。
タニア・サンチェス
2020年現在、5本の指に入ると言われている調香師フランシス・クルジャン(1969-)が、2009年にパリでオープンしたメゾン。それが「メゾン・フランシス・クルジャン」です。1995年にジャン=ポール・ゴルチエの「ル マル」でセンセーショナルなデビューを果たした神童が、遂に自分自身のイメージするフレグランスを手がける「香りの宮殿」を持つにいたったのです。
そして、まず最初に「アクア ユニヴェルサリス」を含む7作品を発表したのでした。
フレグランスは、目に見えないクローズ
私のブランドの香りの中で、今までインセンス(フランキンセンス)とミルラを使用したことがありません。それは、それらが私の調香スタイルに合わないとかではなく、ただ単に満足のいく品質のものがまだ見つけ出せていないからです。
通常、50ほどのサプライヤーを通じて香料を確保していくのですが、新しい成分を見つけ出すより、ある香料の最高品質のものを見つけ出すほうが私には非常に重要なことなのです。
フランシス・クルジャン
「香りの大合唱」と形容されるフランシス・クルジャンの調香する香りの特徴は、贅沢な天然香料を使用する調香スタイルにあります。2006年9月にマリー・アントワネットが愛した香りをクルジャンが再現したこともあり、クラシックなフレグランスに対する素養を完全に持ち合わせた上で、21世紀にマッチした新しい香りを提案しているという安定感がその人気の秘密です。
香りの中に香り以上のものを見出す香りそれがメゾン・フランシス・クルジャンの香りです。だからこそ、その香りは一言で形容しがたく、消臭剤の中で生きているような人々にとっては、その複雑な香り立ちは、不快以外の何者でもありません。一方で、香りを楽しむ人々にとっては、「香りの大合唱」とも言える、色々な空気の色をのぞかせるわけなのです。
クルジャン自身によってプロデュースされたボトル・デザインは、あくまでもシンプルに、香りよりも目立たないミニマルなデザインです。そして、それがまた修道士のような佇まいでもありスタイリッシュなのです。
2017年にはLVMHグループの傘下に入りました。今最もエレガントなフレグランス・メゾンのひとつです。