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クリスチャン・ディオール

【ディオール】ジョイ インテンス(フランソワ・ドゥマシー)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
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ジョイ インテンス

原名:Joy Intense
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:30ml/9,990円、50ml/14,300円

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逆襲のディオール・新たなるジョイの旅立ち

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ジャドール」以来、19年ぶりとなるディオールの新作ウィメンズ・フレグランスが、2018年9月にローンチされました。その名も「JOY BY DIOR ジョイ」。

ジャン・パトゥの名香「ジョイ」と同じ名前を敢えて命名したこの香りは、香りが目覚めさせるあらゆる喜びの感情を、ボトルの中にひとまとめに詰め込んだことを伝える最高のネーミングに、最高のミューズ=ジェニファー・ローレンス、さらにどのブランドよりも豊潤なPR予算でローンチしたにも関わらず、見事にコケてしまいました。

2015年に「ソヴァージュ」を成功させたディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーが2年もの歳月を費やし生み出したこの香りは、発売当初より、シャネルアリュールとディオールのジャドールを組み合わせたような、スパークリングするシトラスとローズ×ジャスミンの平凡な香りという評価を受けてしまったのでした。

世界制覇に向けて破竹の勢いで進撃するディオール帝国の思わぬ大失敗作となった、そんな「ジョイ」の名誉を挽回するために一年後の2019年9月6日に発売されたのが「ジョイ インテンス」でした。

〝花火のようにフローラルが弾ける〟イメージで生み出されたこの香りのオリジナルとの違いは、トップノートのネロリとラストノートのトンカビーンとマダガスカル産バニラにあります。

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真にエレガントな〝ご令嬢フレグランス〟

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私は、花火のようにまばゆいばかりの花が咲き誇り開花していくというアイデアを中心に、星空に向かって浮かんでゆく、香り豊かな色とりどりのローズをイメージして、この「ジョイ インテンス」を調香しました。さらに、ウッディに大きなボリュームを与えることで、その官能的な側面を強調し、新たな光を与え、その軌跡をより鮮明にしたいと思いました。

フランソワ・ドゥマシー

カナージュ模様が施されたボトルのガラスの底に浮かび上がる星〝wind rose〟の羅針盤が幸運のシンボルとして輝いているこの香りは、2019年9月から限定店舗販売され、10月に入り、すぐに全世界的に完売し「幻のJOY」となりました。

この限定した店舗での販売という、手錬れの詐欺師のような言葉選びの巧みさに驚かされます。つまりこの商品は、限定品ではないのです。まさに、ラグジュアリー・ブランドでありながら、ときに胡散臭すぎる戦略を展開するディオールの真骨頂とも言えます。まずは、短期で少ない商品数だけをリリースし、3ヵ月後に、再販するという戦略で、2020年1月から、しれっと全店舗でレギュラー販売されたのでした。

そんな「喜びの香り第二弾」は、オリジナルのムスクの爆発をトーンダウンさせ、シトラスとフローラルの鮮やかな花火を打ち上げるように、ジューシーなベルガモットとネロリが一瞬で立ち上る、華やかな煌めきからはじまります。

すぐに、そんなシトラスシャワーを浴びて、生き生きと花びらを開花させるグラースローズと(フルーティな)ジャスミンが、美しく響き合い、ロゼシャンパンの如く、五彩の輝きを素肌の上に広がらせてゆきます。

やがて、スモーキーなマダガスカル産バニラとパウダリーなトンカビーンと共に、クリーミーなサンダルウッドの温かく酔わせる甘い余韻が、陽気で明るい〝喜び〟のオーラをゆっくりとまったりと引き伸ばしてくれるのです。

この香りのドンピシャなイメージは60年代前半の司葉子様。

明らかに、オリジナルの「ジョイ」はこちらであるべきだったと思わせる程、エネルギーが溢れ出すような、快活で溌剌とした、白いワンピースを着てお出かけする、小津安二郎の映画に出てきそうな、怖いもの知らずのお嬢様のような無邪気さも漂わせる、真にエレガントな〝ご令嬢フレグランス〟と言えます。

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香水データ

香水名:ジョイ インテンス
原名:Joy Intense
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:30ml/9,990円、50ml/14,300円


トップノート:ベルガモット、ネロリ
ミドルノート:グラース・ローズ、ジャスミン
ラストノート:トンカビーン、サンダルウッド、バニラ、ムスク、パチョリ