真知子巻き、アリアーヌ巻きのルーツ
イルザ・ラント・ルック7 イルザ巻き
- 白のスカートスーツ、コンケーブ、膝丈のフレアスカート、ウエストに3つのアジャスター、ストラップ・カフス
- シフォンのストールを顔に巻く
のちに『君の名は』(1952~1954)で岸恵子が披露した真知子巻きと、『昼下りの情事』(1957)でオードリー・ヘプバーンが披露したアリアーヌ巻きの原型が、イングリッド・バーグマンによるイルザ巻きです。
『カサブランカ』のアイコニック・スタイル
イルザ・ラント・ルック8 ジャンパードレス
- ジャンパードレス、フロントスリット
- 白の細ベルト
- ニットのボーダーの半袖シャツ、クルーネック
- 白のロール帽、円盤のような帽子はカサブランカと呼ばれるようになる。
- ミドル白グローブ
- 白クラッチ
- 白のブロックヒールサンダル
衣装デザイナーのオーリー・ケリーが最も苦労したのは、イングリッド・バーグマンのための帽子でした。用意されたどの帽子も似合わなかったので、ふたつの大きな帽子以外、みんな捨てられてしまったのでした。
マデリーン・ルボーの「ラ・マルセイエーズ」
ドイツの愛国歌「ラインの守り」を歌うドイツ軍士官たちに対して、店内の全ての客が起立した上で「ラ・マルセイエーズ」を歌うシーンで、涙を流しながら熱唱するマデリーン・ルボーの姿は、本当にフランスからハリウッドに亡命したばかりの彼女の実生活とオーバーラップするものであり、本当の涙を流していたと言われています。
そんな彼女が着ているイブニングドレスも、イルザとは対照的なキラキラしたムードの典型的なハリウッド・スタイルです。