ファーレンハイト32
原名:Fahrenheit 32
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー、ルイーズ・ターナー
発表年:2007年
対象性別:男性
価格:50ml/7,000円
ディオールオム帝国始祖の最後のフレグランス
2007年当時、ディオールオムのアーティスティック・ディレクター(2001-2007)だったエディ・スリマンが、ディオールの専属調香師であるフランソワ・ドゥマシーとルイーズ・ターナーと共に(ウッディの傑作)「ファーレンハイト」の春ヴァージョンとして、フローラルを強調した「ファーレンハイト32」を発表しました。
ファーレンハイト32とは、華氏32度=摂氏0度という水の凝固点を意味します。
当時、ジャン=ポール・ゴルチエの「フルール ド マル」によってフローラル・メンズが人気を博していました。オレンジ・ブロッサムを「フルール ド マル」はアロマティックに、「ファーレンハイト32」はフレッシュ・オリエンタルに調香しています。
幻の『白いファーレンハイト』
南国の沈み行く太陽を想わせるマンダリン、ベルガモット、レモンの鮮やかな柑橘の上に、舞い散る白い粉雪のようなミンティバニラからこの香りははじまります。
すぐに太陽は雲に覆われ、ゆっくりと優しくバニラの粉雪は溶け、オゾニックに(メロンのように)みずみずしいオレンジブロッサムが花を咲かせます。そしてたおやかにクリーミーな甘さが混じりあい、広がってゆきます。
やがて囁くようなヴァイオレットとアイリス、ローズが加わり、ひんやりクリーミーなベチバーとシダー、滑らかなホワイトムスクにより、ミステリアスなインセンスのようなバニラの白い輝きが肌を満たしてゆくのです。
まるで氷は水に、水は氷に変わるような、つまりはオレンジブロッサムがバニラに、バニラがオレンジブロッサムに変わる瞬間がスパイラルしていくようです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ファーレンハイト32」を「ミンティバニラ」と呼び、「この香水はまったく気取りがない上に、トロピカルな温かさとミント様の冷たさがみごとにつり合って完璧な仕上がりだ。どこかの暑い地でどんよりと曇った日に漂う静寂で心地よい感じがする。そこに、不幸を背負いながらも明るく生きる一風変わったドキュメンタリー番組の様相が漂う。実際より空を暗くするためにグラデーションフィルターを使って撮影した映像だ。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ファーレンハイト32
原名:Fahrenheit 32
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー、ルイーズ・ターナー
発表年:2007年
対象性別:男性
価格:50ml/7,000円
トップノート:オレンジ・ブロッサム
ミドルノート:ベチバー
ラストノート:バニラ