【ルイ ヴィトン】エトワール フィラント（ジャック・キャヴァリエ）

エトワール フィラント

原名：Etoile Filante
種類：オード・パルファム
ブランド：ルイ・ヴィトン
調香師：ジャック・キャヴァリエ
発表年：2021年
対象性別：女性
価格：100ml／45,100円
公式ホームページ：ルイ・ヴィトン

11才の少年の〝星に願いを〟叶えた香り

2019年12月に中国・武漢からはじまる新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が、世界中に広がり、パンデミック中の2021年1月28日に発売されたルイ・ヴィトンの「エトワール フィラント」は、「レ パルファン ルイ ヴィトン」の12作目の香りです。ルイ・ヴィトンの専属調香師であるジャック・キャヴァリエにより調香されました。

〝エトワール フィラント〟とは、フランス語で「流れ星」の意味です。それは「ミル フー」において、レザーとラズベリーの調停役を果たしていたオスマンサス（金木犀）を、センターに据えた香りです。そしてジャック・キャヴァリエが少年時代に〝星に願いし夢〟を叶えた香りでもありました。

フランスのグラースで生まれ育ったジャックは、自身の父親も調香師であり、母親は香料成分のブレンダーとして、1952年から1962年にかけてエドモン・ルドニツカの助手を務めたこともあるほどの人でした。

そんな両親の仕事を6才の頃より手伝うようになったジャックは、10才のころから、学校が休みの時期に、両親が働く香水工場で働くようになります。そして、朝の5時から7時まで2時間、父親から原材料についてみっちり学びました。「私のクリエイトのルーツはこの毎朝の二時間にあります」と回想しているほどです。

そして、11才のとき、ジャックはある天然香料を父親に手渡され衝撃を受けたのでした。それは遥かかなたの中国からやって来たオスマンサス・アブソリュートでした。

オスマンサスほど少年時代の私の心を揺さぶった香料の原料はありませんでした。その得も言われぬ香り、そして遥か遠い異国を連想させるその名に、たちまち魅せられました。

ジャック･キャヴァリエ

数年の時が流れ、中国のフラワー・マーケットを訪問したジャック青年は、この時、夕方になるとオスマンサスの香りが、より魅力的な輝きを放つことに衝撃を受けました。そして、その原因がマグノリアにあることを知りました。

オスマンサスとマグノリアが良い塩梅で空気に漂いマッチしていたのです。そして、10代にして「オスマンサスとマグノリア」をブレンドした香りをいつか生み出そうと星に願うのでした。

ルイ・ヴィトンの光に包まれていく香り

ふと忘れてしまっていた〝10代に願っていた一番大切な夢〟が、鮮やかに蘇るように、アプリコット（ピーチ）とブラックカラントが、希望の星の如く、煌めくフルーティさを広がらせてくれます。さあ〝かつて願い事をしたあの星を探す旅〟が再びはじまるのです。

すぐに中国産オスマンサスが加わり、〝光を放ちながら夜空を駆ける星〟のような躍動感が満ち広がってゆきます。そしてルイ・ヴィトン独自の二酸化炭素抽出法で抽出されたグラース産ジャスミンが、オスマンサスのフローラルの側面を引き立たせるように溶け込んでゆきます。この香りの面白さは、ウッディの要素が一切存在しないことです。

隠し味として使用されているフィルメニッヒ社のフラネオールにより、熟する一歩手前のまだ摘み取ってはいけない透き通るようなストロベリーの甘さを感じ取ることが出来ます。

さらに、素肌の上に中国産マグノリアが咲き誇り、ストロベリーは完熟するのです。そして、ジューシーな果汁をオスマンサスとジャスミンに降り注がせ、ホワイトムスクの渦巻く星雲に飲み込まれ、ひとまとめになり、〝ルイ・ヴィトンが生み出した光の花々〟に心の汚れや迷いはさっぱりと洗い流されていくように、〝星々のきらめく天の果て〟へ身も心も導かれてゆくのです。

オスマンサスとマグノリア、ジャスミンといったフローラルと、ストロベリーとアプリコット、ブラックカラントといったフルーツが見事に調和し、魔法のようにオスマンサスだけが浮き上がってゆき、あなたの心に流れ星のように届いてゆく。そんな心をぱっと明るくする、自分の感性を大切にして、新鮮な空気を吸い込んだような女性を生み出してゆく香りです。

香水データ

香水名：エトワール フィラント
原名：Etoile Filante
種類：オード・パルファム
ブランド：ルイ・ヴィトン
調香師：ジャック・キャヴァリエ
発表年：2021年
対象性別：女性
価格：100ml／45,100円
公式ホームページ：ルイ・ヴィトン

トップノート：アプリコット、ストロベリー
ミドルノート：ジャスミン、マグノリア、オスマンサス
ラストノート：ホワイトムスク