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ディプティック

【ディプティック】オー ローズ オード パルファン(ファブリス・ペルグラン)

ディプティック
©Diptyque
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オー ローズ オード パルファン

原名:Eau Rose Eau De Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック

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10年の歳月をかけた、ディプティックのローズガーデンの香り

©Diptyque

ディプティックから2012年に発売された「オー ローズ」は、ルネサンス期のフランスの詩聖ピエール・ド・ロンサールの「カッサンドルへのオード」の詩からインスパイアされ生み出された香りでした。

この詩は、1545年4月21日にブロワ城で、フランス王国の国王フランソワ1世とその妃カトリーヌ・ド・メディシスにより主催された舞踏会に出席した21歳のピエールが、カッサンドルという15歳のイタリア人少女の唄うシャンソンに心を奪われた瞬間誕生しました。

「オー ローズ」とはフランス語で「ローズの水」です。ディプティックを代表するローズ・フレグランスとしてとても人気のある香りです。

その10周年を記念し、2022年1月6日から限定発売されているのが、〝10年の歳月をかけたディプティックのローズガーデンの香り〟とも言えるオード・パルファム版です。この香りはファブリス・ペルグランにより調香されました(現在、レギュラー販売されています)。

グラース生まれのファブリス・ペルグランは、「ドソン」「オー デュエル」といったディプティックを代表する香りにおいてローズという香料を巧みに使用してきました。そんな彼が並々ならぬ愛情を持つローズの香りの総決算として生み出したのがこの「オー ローズ オード パルファン」です。

オリジナルのEDT版と同じくトルコ産のダマスクローズとグラース産のセンティフォリア・ローズのアブソリュート(溶剤抽出したもの)がメイン香料として使用されています。そして、カモミールとアーティチョークが新たな香料として加わっています。

さらにダマスクローズを蒸留し、ローズウォーターを抽出した後に残る残留水(ローズのエッセンスは残っている)を利用したfirad rose(フィラッドローズ)も使用されています。この再利用されたローズウォーターには、ライチのフルーティーさを感じさせる香りがあります。

しかし、何よりも興味深いのは、〝真冬にローズの香りを発売する〟ということです。

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新たに加わるアーティチョークとカモミール。

アーティチョークの花

一吹きでスーっと突き抜けるようなフレッシュグリーンなアーティチョークの香りが広がってゆきます。そんなグリーンの空気の中に、柔らかなフレッシュローズが溶け込み一体化するようにしてこの香りははじまります。

イングリッシュ・ガーデンにおいてアーティチョークは、ローズの香りを引き立てる植物として近隣で育てられることが多いのですが、その効果を香りの中に投影させようとしています。

つまりこの香りは、より濃厚なローズを生み出そうとしたわけではなく、ローズを取り囲むグリーンの世界をしっかりと存在させることにより、より豊かなローズの魅力を伝えようとした香りなのです。

すぐにライチのみずみずしさが、ローズにフルーティーなきらめきを与えてゆきます。このライチの香りのニュアンスが、EDTとこの香りには違いがあります。EDTは本当にライチのフルーツ感を感じさせる一方こちらはローズのフルーティーさを感じさせます(この部分がフィラッドローズ効果なのでしょう)。

そこにふんわりとカモミールのアロマティックなエアリーさが注ぎ込まれ、オリジナルの特徴でもあったグリーンのみずみずしさを感じさせるハニーローズではなく、ロマンティックな夢見るように幻想的かつ滑らかなローズの感触に包まれてゆきます。

やがて、クリーミーなホワイトムスクと円やかなシダーウッドに包まれ、ローズの花びらを感じさせる柔らかな余韻を肌に優しく解き放ってくれます。

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香水データ

香水名:オー ローズ オード パルファン
原名:Eau Rose Eau De Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック


トップノート:ライチ
ミドルノート:ダマスクローズ、メイローズ、ローズウォーター、カモミール、アーティチョーク
ラストノート:ウッディノート、ムスク