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クリスチャン・ディオール

【ディオール】ディオール スター(ベアトリス・ピケ)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
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ディオール スター

原名:Dior Star
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:ベアトリス・ピケ
発表年:2005年
対象性別:女性
価格:不明

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クリスチャン・ディオールと〝スター〟

ムッシュ・ディオールが拾った〝スター〟の金属の破片 ©Christian Dior

「ボン エトワール」ドレス ©Christian Dior

クリスチャン・ディオール(1905-1957)は、生涯に渡り、占いを信じていました。すべてのはじまりは、彼が14歳だった、1919年に、グランヴィルでジプシーの女占い師に未来を占ってもらったことからです。その時、この女占い師は彼の手相を見てこう言ったのでした。

あなたは、文無しになる。でも、女性たちがあなたに幸運をもたらし、彼女たちのおかげで、あなたは成功する。あなたは、女性たちから莫大な利益を生み出します。だけど、あなたは各地へ旅行をする羽目になるでしょう。

第二次世界大戦が終わった後、絶望していた彼に、収容所から妹が奇跡の生還を遂げると予言したのも女占い師でした。そして1946年4月18日に、パリのフォブール=サントノレ通りで、星=スターにつまずくことにより、彼の人生を変える幸運である、大富豪マルセル・ブサックと出会うことになるのでした。

このスターは、実は馬車の車輪のこしきが壊れた金属の破片なのですが、彼は以後、すべての大切な瞬間にこのスターをポケットの中に忍ばせておくようになりました。

そしてリュシアン・ルロンから独立し、ブサックの出資により、自らのメゾンであるクリスチャン・ディオールを立ち上げ、1952年春夏オートクチュール・コレクションにおいて「ボン エトワール」ドレスのためにスター・モチーフを採用したのでした。

やがて、スター・モチーフはディオールというブランドにとって、神聖なシンボルとして定着することになるのでした。

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ラッキースター、星に願いを、星はなんでも知っている。

©DIORBEAUTY

©DIORBEAUTY

2005年の「ミス ディオール シェリー」成功前夜のディオールは、如何にして20代の女性にフレグランスを購入してもらおうかと試行錯誤していました。そんなある意味ディオールの迷走期に発売されたのが「ディオール スター」でした。フルーティ・フローラルの香りは、ベアトリス・ピケによって調香されました。

ディオールほどしっかりとした歴史のあるブランドにとって、勿体無いのは、とんでもなく微妙な香りに、ブランドの真髄のような名前をつけることです。このスターには、ムッシュ・ディオールがつまずいたような、運命的なつまずきは残念ながら何一つありません。

ベルガモットとマンダリン×プチグレンが弾け合い、苦みとジューシーさを爽やかなフルーティに満ち広がらせるようにしてこの香りははじまります。すぐにムスクの風に乗り、円やかにミルキーなアーモンドが広がってゆきます。

そして、可憐なピオニーとスズランのようにフレッシュグリーンなハニーサックルの香りが溶け込み、甘いムスキーアーモンドの余韻を残してくれます。

ちなみにパッケージのモデルは、ドイツ出身のスーパーモデル、ジュリア・ステグナー(1984-)です。

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香水データ

香水名:ディオール スター
原名:Dior Star
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:ベアトリス・ピケ
発表年:2005年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:マンダリン・オレンジ、プチグレン、ベルガモット
ミドルノート:ピオニー、ハニーサックル
ラストノート:アーモンド、ムスク