カシミア
原名:Casmir
種類:オード・トワレ
ブランド:ショパール
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:1991年
対象性別:女性
価格:100ml/11,000円
ショパールのファースト・フレグランス
スイスの高級時計・ジュエリー・ブランドのショパールは、1860年に創業されました。多くのハイジュエリー・ブランドがフレグランス市場に参入した1990年代にショパールもその流れに乗りました。
1992年に創作されたブルガリ初のフレグランス「オ パフメ オーテヴェール」から遡ること1年、1991年に発売されたのがショパールのファースト・フレグランス「カシミア」です。
1990年の時計とジュエリーのコレクション「カシミア(カシミール)」からインスパイアされ、コティの協力の下で生み出されたアンバーバニラの香りは、ミシェル・アルメラックにより調香されました。
夕映えのガンジスに、フルーティな宝石が降り注ぐ。
ガンジス川を照らす夕陽の向こうにマハラジャの宮殿が見えます。そんな情景が目に浮かぶような赤みがかったオレンジ色の温かい香りに包まれていくようにしてこの香りははじまります。
キリっと苦味のあるベルガモットが川の流れを感じさせ、ココナッツウォーターをたっぷりと振りかけたピーチとマンゴーが贅を尽くしたマハラジャの宮殿のきらめきを感じさせてくれます。そして、酔わせるようなアンバーの夕陽が注ぎ込まれ、すべてがひとつになるのです。
肌の上で蕩けていくようにアンバーと一体化するピーチとマンゴーが、だんだんとバニラとシナモンによりラム酒のような黄金の煌きへと昇華していくのを全身で感じることが出来ます。それはまるでハイジュエリーを身につけるように、香りを身にまとうイメージです。
やがて、ねっとりとインドールの効いたジャスミンと冷気を感じさせるスズラン、閃光の如くすべてに光彩を与えるゼラニウム、花蜜のようなミモザが降り注ぎ、フルーツに甘やかされ、アンバーバニラに愛された肌は、さらなる輝きに包まれてゆくのです。
そこにクリーミーなサンダルウッド、ふんわり甘いムスク、アーシィーなパチョリが加わり、バニラはよりコクのある甘さとなり、それ自体がオーラを放つハイジュエリーの如くスモーキーかつパウダリーなミステリーを加えながら、豪奢な甘やかさでまばゆいほどに香り照りゆくのです。
ボトル・デザインは、ショパールのアーティスティック・ディレクターのキャロライン・ショイフレの指揮のもと生み出されました。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「カシミア」を「風変わりなオリエンタル」と呼び、「おもしろい不協和音を響かせるオリエンタル。ピーチとラクトンのトップノート、少し平坦なミモザのフローラルの芯、ウッディ調、動物様のドライダウンが織り成すコントラストは、胸が悪くなると思う人もいれば、魅力的だと感じる人もいるだろう。かつてパコ・ラバンヌの「ラ ニュイ」がそうだったように、これもなかなか挑発的だ。正しい効き目を出すには、人を選ぶ香水。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:カシミア
原名:Casmir
種類:オード・トワレ
ブランド:ショパール
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:1991年
対象性別:女性
価格:100ml/11,000円
トップノート:ピーチ、ココナッツ、マンゴー、ベルガモット
ミドルノート:ゼラニウム、ジャスミン、スズラン
ラストノート:バニラ、アンバー、サンダルウッド、ムスク、パチョリ