バレニア アンタンス|パチョリ・アブソリュートを加えた、さらに官能的なシプレ

エルメス
©Hermès
エルメス
この記事は約5分で読めます。

バレニア アンタンス

原名:Barénia Intense
種類:オード・パルファム
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2025年
対象性別:女性
価格:30ml/14,080円、60ml/20,350円、100ml/27,610円
公式ホームページ:エルメス

スポンサーリンク

パチョリ・アブソリュートを加えた、さらに官能的な素肌の香り

©Hermès

©Hermès

©Hermès

「バレニア」のフランカーの制作を依頼された時、少し怖くなりました。エルメスの香りはあまりにも象徴的ですから、新たなアイコンを創り出す必要があったのです。

シプレの再解釈から始めるのが適切だと感じました。そのためには〝官能性〟が鍵となります。さらにエルメスは常に〝洗練〟されており、細部まで〝こだわり〟がある。その点も考慮に入れました。

その〝官能性〟〝洗練〟〝こだわり〟を同時に実現をするためにパチョリについて少し変更を加えました。より深く、より豊かで、非常に官能的なパチョリ・アブソリュートを追加しました。

パチョリ・エッセンスは軽やかで、香りがすぐに広がります。しかしアブソリュートは香りに重みを与え、香りをしっかりと支え、存在感を与えます。つまりオリジナルの香りだけでは持ち合わせていなかった、しっかりとした温かさと濃厚さが加わります。

クリスティーヌ・ナジェル

エルメス初のシプレ系フレグランスである「バレニア」は、フルーティ、フローラル、ウッディの三位一体を体現するネオシプレです。2024年9月11日に発売されました。エルメスの二代目専属調香師クリスティーヌ・ナジェルにより、構想期間として10年近くの歳月をかけ生み出されたレザーシプレの香りです。

クリスティーヌはかつて「ナルシソ ロドリゲス フォーハー」(2003)「ミス ディオール シェリー」(2005)「シィ」(2013)といった傑作を含む、約20種類のシプレ・フレグランスを生み出しています。

そして「バレニア」のシプレをより壮大なるものとして解釈したのが「バレニア アンタンス」です。2025年9月5日に発売されました。二種類のパチョリ(パチョリ・エッセンスとアキガラウッド)に、リコリスのような深みを感じさせるパチョリ・アブソリュートを追加しています。

私は「バレニア」のために10年間で1000種類以上の試作品や改良版を作っていました。そして「アンタンス」の話が来た時、パチョリが過剰に含まれていたナンバー99のサンプルが適していると考えました。「よりセクシーで、よりセンシュアルだ」と思いました。

クリスティーヌ・ナジェル

そのことにより単に香りの濃度を濃くしたのではなく、強さと柔らかさの間の緊張感を引き出すこと、つまり相反するものの間の振動を生み出すことに焦点を当てました。エルメスをエルメスたらしめているのは、そんな特別な素材、時には扱いが難しい素材から、洗練されたバランスを保つという、匠の成せる奇跡を生み出しているからなのです。

「バレニア アンタンス」は、まさにネオシプレの究極のバランスを目指したクリスティーヌの果敢なる挑戦の賜物なのです。

スポンサーリンク

これほどエレガントなシプレはなかなかありません

©Hermès

©Hermès

ただボリュームを上げることではなく、同じ人物を別の角度から撮影するような感覚でこの「アンタンス」を作り上げました。違う側面が見えますが、それでもその人であることに変わりはありません。この微妙な進化こそが、この香りが、真の再創造のように感じられる鍵なのです。

クリスティーヌ・ナジェル

オリジナルのミラクルベリーとグリーンベルガモットがフレッシュに弾けるようなはじまりではなく、すぐにレザーの感触が感じられるフレッシュなパチョリとミラクルベリー×グリーンベルガモットの独特な濃厚さからはじまります。

すぐにジンジャーリリーとローストしたオークウッドが、ゆらめくような明るさと暗さを同時に感じさせる荘厳さで素肌を磨き上げてゆきます。まるでバーキンのレザーをお手入れしているように、全身がエルメスの温かいエレガンスで満たされていくようです。そんなオリジナルよりもより深いシプレの輝きですべての感覚が目覚めてゆきます。

やがて素肌は、熟成したブランデーとスモーキーなシガーが混じり合ったような感覚に包まれてゆきます。それでいて、確実にこの香りのラストには〝妖艶なフルーツ〟と言い切れる神秘的なムードがあります。控えめに言っても〝女性にエルメスのメイクアップを施す香り〟ではなく〝エルメスから生まれてきたような女性の香り〟と言えます。

これほどエレガントなシプレはなかなかありません。ただし、かなりクラシーで、それでいて誘惑するような官能性もあるグレース・ケリー鈴木京香さんにぴったり似合いそうな香りです。

水蒸気蒸留法により抽出されるパチョリ・エッセンスと、溶剤抽出法により抽出されるパチョリ・アブソリュートの香りの違いは、エッセンスはより一般的で、軽くすっきりした揮発性の高い香りとなります。一方、アブソリュートは低温抽出のため、熱に弱い成分も残すことが出来るため、より深く、濃密で、植物そのものに近い、甘やかなオリエンタルアンバーの香りとフルーティーウッディな香り、そして食欲をそそるみずみずしいミントとグリーンハーブの香りといった、豊かで複雑な香りを持ちます。
スポンサーリンク

香水データ

香水名:バレニアアンタンス
原名:Barénia Intense
種類:オード・パルファム
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2025年
対象性別:女性
価格:30ml/14,080円、60ml/20,350円、100ml/27,610円
公式ホームページ:エルメス


トップノート:ミラクルベリー
ミドルノート:ホワイト・ジンジャー・リリー
ラストノート:パチョリ、レザー、オークウッド