アカバ クラシック
原名:Aqaba Classic
種類:オード・パルファム
ブランド:アカバ
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:1998年
対象性別:女性
価格:日本未発売
3000年の時を越え、生まれたシバの女王の香り
アメリカ人女性ミリアム・ミラニが、1995年に創立したニッチ・フレグランス・ブランド「アカバ」は、20代の頃に中東を旅して以来、最愛の地となったアカバ(ヨルダンの都市。アラビアのロレンスでも有名なかの地は風光明媚な黒バラの産地でもある)から命名されました。
そして、1998年にブランド第一弾の香りとして生み出されたのが「アカバ クラシック」でした。
それは彼女が最も愛する〝ある古代のロマンス〟をテーマにした香りでした。ソロモン王とシバの女王の物語。旧約聖書に登場する物語であり、ソロモン王に会うために、シバの女王は紅海を横断しアカバに上陸し、エルサレムに到着したのでした。
シバの女王がソロモン王のための贈り物としてラクダで運んだとされるの古代アラビアの香料の数々を主要香料として生み出されたこの香りは、無名時代のティエリー・ワッサーにより調香されました。
ティエリー・ワッサーの中東への愛の原点
「アカバ クラシック」は、カルダモンとシナモンに祝福されたブルガリアン・ローズの華やかな香りからはじまります。すぐにその背景に(アルデハイドにより)黄金色に輝く聖なるフランキンセンス(お香)の香りが温かく漂います。
やがて、クローブが加わり、ブルガリアン・ローズはよりスパイシーさを増します。そして、サウジアラビアの最高級ダマスクローズであり、30枚の花びらを持つタイフローズが登場します。その(ピーチのような)ハニースパイシーな力強さは、お香に誘われるように現れしジャスミンティーに包み込まれてゆきます。
二つのオリエンタルローズとオリエンタルジャスミンが交じり合う瞬間、この香りは至上のひと時を迎えます。スモーキーな清涼感に満ちたシダーウッド、神秘的なオークモス、樹脂の甘みを生むミルラといった希少な香料が、紅海を越えて古代の交易都市アカバに、時を越え集結するのです。
そして、香りは金粉のようにパウダリーなエキゾチックローズの温かみへと昇華してゆきます。間違いなくこの香りは、灼熱の砂漠と、魅惑のスパイスバザールを通り過ぎてきたシバの女王の香りです。
後にゲランの五代目調香師となったティエリー・ワッサーが「レ デゼール ドリオン」と「レ アブソリュ ドリエント」を生み出す原点になった香りと言えるでしょう。
香水データ
香水名:アカバ クラシック
原名:Aqaba Classic
種類:オード・パルファム
ブランド:アカバ
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:1998年
対象性別:女性
価格:日本未発売
トップノート:カルダモン、ブルガリアン・ローズ、シナモン
ミドルノート:クローブ、エジプト産ジャスミン、タイフローズ
ラストノート:ピーチ、フランキンセンス、ヴァージニア・シダー、オークモス、ティー