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フレデリック・マル

【フレデリック マル】コロン インデレビル(ドミニク・ロピオン)

フレデリック・マル
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コロン インデレビル

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Cologne Indélébile
種類:オード・パルファム
ブランド:フレデリック・マル
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2015年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/6,820円、30ml/18,150円、50ml/23,650円、100ml/34,100円

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忘れない、いいえ、忘れたくないオーデコロン

この香りのシトラスノートの粘り強さには我ながら驚嘆しています。そして、この香りは、ダブル・フレグランスです。つまりはキアロスクーロ(明暗の対比)であり、純真無垢と邪悪を併せ持つムスクを表現しています。

ドミニク・ロピオン

ホワイトムスクを嗅ぐと、純真でイノセントだと脳が考える一方で、無意識のうちに肉体が〝SEX〟を求めてしまうのです。

フレデリック・マル

2015年1月にフレデリック・マルがエスティローダー・グループに買収されました。そして、この香りは、買収後はじめての新作となります。「コロン インデレビル」は、ドミニク・ロピオンにより3年の月日をかけて調香された香りです。

この香りの名の意味は、「忘れられないコロン、尽きせぬコロン」です。それは、オーデコロンにアンチエイジングを施そうとした2人の男の浪漫の物語です。なによりも恐ろしいのは、この香りは、ルイ・ヴィトンが2019年に生み出した「パルファン ド コローニュ」の概念を、4年前に達成していたことでした。

ホワイトムスクにある不純と純潔、邪悪と無垢といった二面性を、通常では考えられない分量のホワイトムスクを使用し、ひとつのボトルの中に封印した香りなのです。

この香りは、二人が創造した「ゼラニウム プール ムッシュー」のムスクと「ポートレイト オブ ア レディー」の最上級ネロリオイルを合わせ、とんでもなく上質なオーデコロンを生み出してやろうという遊び心から生み出された〝悪戯なオーデコロン〟とも言えます。

合成ムスク60%+チュニジア産(ここが一番良い)のネロリとオレンジ・ブロッサム、カラブリア産(ここが一番良い)のレモン&ベルガモットのブレンド

そんな「コロン インデレビル」には、〝テクニカル・ムスク〟と呼ぶ4種類の合成ムスクを組み合わせたムスクが使用されています。それはまさに「ハッと息を飲むような」忘れがたい ── いいえ、そうではなく ── 忘れたくないオーデコロンなのです。

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ナボコフのロリータの香り

スタンリー・キューブリックが1962年に映画化した『ロリータ』。

エイドリアン・ラインが1997年に映画化した『ロリータ』。

ナボコフの描くロリータのような、純真でありながら性的な魅力を持つ、2つの顔がある香りです。

フレデリック・マル

ウラジミール・ナボコフが1955年に発表した『ロリータ』は、ロリータ・コンプレックスやロリータ・ファッションの語源になったスキャンダラスな小説です。

ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。

『ロリータ』ウラジミール・ナボコフ



ちなみにこの香りは、ドミニク・ロピオンの弟子で、「サル ゴス」(2017年、フレデリック・マル初の子供用コロン)を調香しているファニー・バル(当時26歳)が、助手として参加しています。もしかしたら、彼女自身がこの香りのロリータなのかもしれません。

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〝コロンの共通点=持続しない〟を覆したコロン

ドミニク・ロピオンは、ムスクの持つ媚薬としての性質と溢れんばかりの純潔の二面性を受け入れ、個人的な解釈でオーデコロンを創造しました。オレンジ・ブロッサム、ベルガモット、〝テクニカル・ムスク〟が絡み合う最上級のネロリのスプラッシュが、終わりなく、永遠に、いつまでも続くのです。

フレデリック・マル

とてもパワフルに!酸味を弾けさせるレモンの中に、苦いベルガモットの爽快感が生き生きと溶け込んでゆくシャンパンシャワーからこの香りははじまります。最初からホワイトムスクが存在するためでしょうか、この心地よいシトラスのきらめきは通常よりも持続します。

やがて渋いグリーンのネロリと冷たく甘いメタリックなオレンジ・ブロッサムが、〝テクニカル・ムスク〟に溶け込みながら、静かに心地よい甘さに香りは包まれてゆきます。

このネロリが主役のコロンの魅力は、オーデコロンに失われがちな繊細さにあります。それは機械に生命を吹き込むように、合成香料であるホワイトムスクに、生命の複雑さを吹き込んでいるところにあります。つまり、このホワイトムスクは非常に繊細な反応をするのです。それはオーデコロンのほとんどに存在するハーブがこの香りに存在しないためかもしれません。

驚異的な生命力を持つこのオーデコロンは、太陽の輝きがネロリとムスクに活力を与えていくように成長してゆき、パウダリーグリーンな水仙とソルティスキンの側面も生み出しつつ、クリーミーかつソーピィーな輝きで包み込んでくれます。

ちなみに水仙の香りは、キリアンの「グッド ガール ゴーン バッド」と嗅ぎ比べると、共通しているわずかなえぐみが感じ取れるはずです。

トム・フォードの「ネロリ ポルトフィーノ」やティエリー・ミュグレーの「ミュグレー コロン」ともよく比較される香りです。

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香水データ

香水名:コロン インデレビル
原名:Cologne Indélébile
種類:オード・パルファム
ブランド:フレデリック・マル
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2015年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/6,820円、30ml/18,150円、50ml/23,650円、100ml/34,100円


トップノート:ベルガモット、レモン
ミドルノート:水仙、オレンジ・ブロッサム、ネロリ
ラストノート:ホワイトムスク