ウイエ プールプル(ルイ)
原名:Oeillet Pourpre(Lui)
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/34,650円、100ml/48,400円、200ml/69,300円
2021年最後の「ラール エ ラ マティエール」
1929年にゲランの三代目調香師ジャック・ゲランによって調香された「LIU(リウ)」の名前から着想を得た「LUI(ルイ)」は、2017年9月に発売されました。「LUI」とは、フランス語で「彼に、彼女に」を意味します。
フェミニンであると同時にマスキュリンな、男女の境界を曖昧にするアンドロギュヌスの香りとして、五代目調香師ティエリー・ワッサーとデルフィーヌ・ジェルクによって調香されました。
2021年11月3日にこの香りは、「ラール エ ラ マティエール(芸術と貴重なる生の素材)」コレクションのリニューアルに伴い、その一員として「ウイエ プールプル」(紫のカーネーション)の名を与えられ、昇格することになりました。
それはあくまでも中性的なイメージでも、ドラァグ・クイーンや宝塚の男役のようなイメージでもない、ふとした瞬間に垣間見える男女の中に存在するジェンダーレスな瞬間を香りとして捉えたフレグランスです。
ちなみにカーネーションは「沈黙の花」と呼ばれ、蒸留や抽出といった技法により、花の香りを取り出すことができません。
史上最高のパフォーマンスを見せるカーネーション
カーネーションは、極めて美しくポエティックな花です。ベンゾインが持つさまざまな側面を利用し、より挑発的な香りに再解釈しました。
デルフィーヌ・ジェルク
甘くてスパイシーなクローブを、ベンゾインが温かく包み込むようにしてこの香りははじまります。洋ナシがほんの少し香りに艶を与えてくれるのですが、すぐにパウダリーでスパイシーなカーネーションが現れ、ベンゾインに導かれ、カーネーションの香り史上最高と言っても大げさではないパフォーマンスを見せてくれます(よくあるコスメティックな香りではない)。
複雑でありながら優しいベンゾインーカーネーションの風に乗り、スモーキーなレザーが運んでくれるバニラとムスクに遭遇します。エレガンスと獣性のお互いが溶け合うように、肌の中に浸透していくように甘くも温かい香りに包まれていきます。
ゲランの公式ホームページ上において、この香りは、過剰なまでにエロティシズムを奨励したマルキ・ド・サド(1740-1814)を想起させるスキャンダラスな香りと評しています。
昔のボトルデザインは、「LIU(リウ)」をモダンにアレンジした、八角形のブラックラッカー仕上げのボトルに、アールデコをイメージした3つの文字が際立つモノトーンのラベルが貼られていました。
ゲランにおいてアニック・メナードが生み出した名香「ボワ ダルメニ」と比較される香りです。
香水データ
香水名:ウイエ プールプル(ルイ)
原名:Oeillet Pourpre(Lui)
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/34,650円、100ml/48,400円、200ml/69,300円
トップノート:洋梨、クローブ
ミドルノート:ベンゾイン、カーネーション
ラストノート:レザー、バニラ、ムスク、ウッディーノート、スモーク