アルマーニ マニアオム
原名：Armani Mania pour Homme
種類：オード・トワレ
ブランド：ジョルジオ・アルマーニ
調香師：フランシス・クルジャン
発表年：2002年
対象性別：男性
価格：50ml／7,000円、100ml／9,500円
「バカラ ルージュ540」のルーツとも言える香り
©Armani beauty
1982年から、ロレアルと提携し、フレグランスを発売していたジョルジオ・アルマーニは、1996年に発売した「アクア ディ ジオ プールオム」の大成功により、メンズ・フレグランス市場No.1の地位を獲得しました。
そしてウィメンズ・フレグランス市場のNo.1も獲得することを宿願に、世紀末の1999年に「マニア」を発表しました。この香りは「アクア ディ ジオ プールオム」を生み出したジャック・キャヴァリエにより調香されました。
2002年にそのメンズ・フレグランスとして「アルマーニ マニアオム」が発売されました。フランシス・クルジャンが調香した唯一のアルマーニ・フレグランスです。クルジャンはかつてインタビューの中で、最も気に入っている香りのひとつだと言及していました。
クルジャンの最高傑作のひとつ「バカラ ルージュ540」で劇的な存在感を示したサフランをはじめて使用した、「バカラ ルージュ540」のルーツとも言える香りそれが「アルマーニ マニアオム」です。
爪の手入れをするように、削ぎ落していくように身に纏う香り
『ダークナイト』（2008）でアルマーニを着ているブルース・ウェインが、この香りのイメージにぴったりです。
メトロセクシャルな、ビジネススーツにも、カジュアルウェアにも、こだわりを持ち、洗練された物腰を大切にする男性のための香り。何かを足すというよりも、爪の手入れをするように、削ぎ落していくように身に纏うこの香りは、心と身体に、新鮮な空気を注ぎ込むように、フレッシュでアロマティックなオレンジリーフの香りからはじまります。オレンジリーフは、オレンジのジューシーさよりも透き通るような爽やかさを強調しています。
そこに、優しく甘くスパイシーなサフランが加わってゆきます。すぐに氷のように微笑むシダーウッドがムスクの風に乗って、全身を包み込んでゆきます。すべてが極めてしずやかに、素肌と心に澱んでいる無駄なものを削ぎ落してくれるように、この香りは広がってゆくのです。
やがて、大いなる大地のようなスモーキーに渋いベチバーと共に、サフランとシダーウッドが、アンバーに温められ、すみずみまで磨き上げられ、鏡の前に佇むあなたに、鏡の中のあなたがウインクするように、控えめなレザーの香りと共に、悠々とした自信を与えてくれるのです。
ジョルジオ・アルマーニにとって、最高の誉め言葉とは「着ていることを忘れさせるほど着心地が良い」という言葉らしいのですが、その香りバージョンなのでしょう。つけていることを忘れてしまう香り。
そんな最初から最後まで控えめな存在感を放つこの香りは、サフランのミステリアスさや、シダーウッドのセンシュアルさを、ちょっとした隙に、まるでその人の素肌の匂いのように軽やかに広がらせていくのです。静かにずっとあなたを見てめているクールビューティな男の目とあなたの目が合った瞬間、温かい微笑みで静かに返してくれる、そんな透き通るように素敵な男性を生み出してくれる香りです。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「アルマーニ マニアオム」を「メタリック・シダー」と呼び、「ホームデポ（アメリカ最大の住宅リフォーム小売チェーン）の匂い。ハンマーに材木。」と2つ星（５段階評価）の評価をつけています。
香水データ
香水名：アルマーニ マニアオム
原名：Armani Mania pour Homme
種類：オード・トワレ
ブランド：ジョルジオ・アルマーニ
調香師：フランシス・クルジャン
発表年：2002年
対象性別：男性
価格：50ml／7,000円、100ml／9,500円
トップノート：マンダリン・オレンジ・リーフ、サフラン
ミドルノート：ベチバー、シダー
ラストノート：アンバー、ムスク