作品名:モガンボ Mogambo(1953)
監督:ジョン・フォード
衣装:ヘレン・ローズ
出演者:クラーク・ゲーブル/エヴァ・ガードナー/グレース・ケリー
パンツルックとネッカチーフの見事な組み合わせ
エヴァ・ガードナー・ルック6 ロールアップ・パンツルック
- 白ニット、半そで、幾何学模様
- 赤のネッカチーフ
- グレーの七分丈のパンツ、ロールアップ
- 赤の太ベルト
- ゴールドのチャンキーブレスレット
- ブラウンのタッセル・ローファー
アンドロギュヌス・スタイルの原型ともいえるこのパンツ・ルックにおいて、エヴァ・ガードナーの本作における有名なシーンがやってきます。小象にバナナをあげるシーンです。小象に押されて、泥水の中に落ちてしまい衣装もドロドロになり、カットを求めるのですが、ジョン・フォードは撮影を続けました。
元々フォード(本作撮影時、彼はアカデミー賞を受賞したばかりでした)は、『わが谷は緑なりき』『静かなる男』のモーリン・オハラをキャスティングしたかったのですが、MGMが却下し、エヴァがその役柄を獲得したことが気に入らなかったのです。そのため撮影中の彼女に対する扱いは、クラーク・ゲーブルもフォードに意見するほどに醜いものでした。結果的に、このシーンは、最もおかしいシーンとなり、フォードも、エヴァの女優としてのガッツを認めるに至ったのでした。
肩幅とウエストの格差が生み出す野生美
エヴァ・ガードナー・ルック7 ホワイト・オフショルダー
- 白のオフショルダートップス
- ブラックベルト
- ゴールドのチャンキーブレスレット
- ブラウンのサーキュラースカート、幾何学模様
- 黒のハイヒールサンダル
オフショルダーは、肩幅の広い女性が最も避けるファッションです。その一例として、どれほど美しいトランスジェンダーであっても、オフショルダーを手に取ろうとはしません。しかし、それは大変もったいないことです。
肩幅の広い女性にこそ、オフショルダーは抜群の効果が生み出されるのです。ただし、ウエストラインが存在している場合に限ります。胸元を強調しすぎず、ウエストラインを強調し、フレアスカートで、砂時計のようなシルエットを生み出すと、そこには、エレガンスと官能性の奇跡的なハーモニーが生み出されることになるでしょう。
このエヴァ・ガードナーのスタイリングこそが、その奇跡の証明なのです。
ジャングル・プリンセス・ドレス
エヴァ・ガードナー・ルック8 ホワイト・イブニングドレス
- 白のイブニングドレス、ストラップレス、チュール素材のスカート
- 二連のパールネックレス
- パールイヤリング
- 三連のパールブレスレット
- 黒のハイヒールサンダル
- 白レースのハンカチーフ
グレース・ケリーのロイヤル・ウエディングのウエディング・ドレスも担当することになるヘレン・ローズのデザインしたホワイト・ドレス。アフリカの大自然の中で、グレース・ケリーのドレスよりも違和感を感じさせないジャングル・プリンセス・ドレスです。