究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
オードリー・ヘプバーン

『戦争と平和』Vol.5|オードリー・ヘプバーンとヘンリー・フォンダ

オードリー・ヘプバーン
この記事は約6分で読めます。

ピエールを演じるヘンリー・フォンダ

ソーニャの機転と、ピエールの献身により、アナトーリー・クラーギンの誘惑から救われるナターシャ。ピエールを演じるヘンリー・フォンダ(1905-1982)は、『ミスタア・ロバーツ』(1955)、『十二人の怒れる男』(1957)と、この時代最も勢いに乗っていた俳優の一人であり、当時50歳でありながら20代のピエールを無理なく演じていました。

このピエール役は、当初、オードリーとメル・ファーラーの希望により『ローマの休日』のグレゴリー・ペックが予定されていたのですが、スケジュールが合わず、次に二人に希望されたピーター・ユスティノフは、プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスによって無名すぎると退けられたのでした。

一方、マーロン・ブランドには、オードリーとの共演を拒否されました。そして、ヘンリー・フォンダに役柄がめぐってきたのでした。

この時、ヘンリーは、10代の娘ジェーン・フォンダとピーター・フォンダをローマに連れ、撮影に臨みました(そして、再婚相手のイタリア女性とも出会いました)。当時、世界でもっとも〝享楽の都〟と言われたローマでの滞在の経験が、二人の将来の映画人生に多大なる影響を与えたのでした(ピーターは15歳にしてローマでアメリカ人の若い空軍士官夫婦により童貞を喪失しました)。

ヘンリーはピエール役を原作どおり醜い男として演じようとしていました。しかし、デ・ラウレンティスは、ピエールにロマンティックな風貌を望んでいました。そのためヘンリーが役作りのためにかけていた銀縁の眼鏡をめぐり、二人は衝突し、あるシーンでは付け、あるシーンでは眼鏡なしといった奇妙な現象が生まれることになりました。

撮影後、ヘンリーは、この作品に出演した事を後悔し、決して本作の話題を口に出すことはありませんでした。

オードリーとピエール役のヘンリー・フォンダ。

スポンサーリンク

ナターシャのファッション13

麗しのサブリナ』のようなジャンパースカート
  • グレーのジャンパースカート
  • 白の透かしストライプブラウス、パフスリーブ、黒のくるみボタン

姉のような存在でもあるソーニャを演じるメイ・ブリットがとても良いです。

メイ・ブリット(1933)は、1960年にサミー・デイヴィスJrと結婚しました。

この衣装の全体像が分かる写真。

スポンサーリンク

ナターシャのファッション14

ペタルカラー
  • チャコールグレーのノーカラーロングワンピース、フロントがダブル
  • 白のペタルカラーのブラウス

このアングルが、オードリー自身が最も嫌いなアングルの一つ。

どこか喪服のようなペタルカラー。

撮影のために本物の大砲が3000門も用意されました。

当時カメラに凝っていたメル・ファーラーによる撮影。

衣装の全体的な雰囲気が分かる写真。

オードリーにメイクを施すアルベルト・デ・ロッシ。

ヘアスタイルのテスト写真。

スポンサーリンク

オードリーらしい素敵なヘッドスカーフ

オードリーの頭を覆う、サンドベージュ色のヘッドスカーフの花柄がとても美しいです。横に流した前髪の出し方が絶妙です。



スポンサーリンク

ナターシャのファッション15

オールミントルック(ボンネット帽子の時代)
  • オールミントのデイドレス、広いラペルにホワイトレース、ハイウエスト
  • 同色のボンネット
  • 白のオーガンジーグローブ
  • シルバーのローヒールパンプス

街並みや人々の衣装とは対極のパステルカラー。

ピエールに扮するヘンリー・フォンダは、原作通り醜い男を演じようと、当初、眼鏡をつけて役柄に臨みました。

ボンネット帽子を脱いだオードリー。

衣装がはっきりと分かる写真。

スポンサーリンク

ナターシャのファッション16

避難民
  • フリンジの付いたベージュ色の大判ストールとピンクのナイトガウン



作品データ

作品名:戦争と平和 War and Peace (1956)
監督:キング・ヴィダー
衣装:マリア・デ・マッテイス
出演者:オードリー・ヘプバーン/アニタ・エクバーグ/ヘンリー・フォンダ/メル・ファーラー/ヴィットリオ・ガスマン/ハーバート・ロム/ジェレミー・ブレット