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ボンド ガール

『女王陛下の007』Vol.7|ダイアナ・リグ、ルールブルーを愛するボンドガール

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「君の香水は、ルールブルーだね?」

ジェームズ・ボンドがホテル・パラシオの自室に戻ると、その背後に、ボンドのホルスターからワルサーPPKを奪い取り、銃口を自分に向けているトレーシーの姿があった。

「ビジネスで来たのよ」と言う彼女に、ボンドはこう言い放ちます。「ルールブルーをつけてビジネスをする女がいるのかい?」と。

そうなのです1912年にジャック・ゲランによって調香されたゲランの香水ルールブルー=青の時間。一日が暗転していく瞬間をパウダリーなオリエンタルで表現したこのフレグランスは、ヨーロッパにおいて貴婦人にのみ許されたロマンティックな胸の高鳴りを表す香りという意味があるのです。

そのことを男性であるボンドが見事に言い当て、トレーシーは驚きこう言ったのです。「香水に詳しいのね」と。そして、ボンドは答えるのでした。「つまり、女性にも詳しいということだよ」。

そうなのです。男性が、香水に詳しいということは、女性の心を勝ち取る最短距離を勝ち得たも同然なのです。

バルコニー・ベッドの周りには大量の花とトレーシーのルールブルーの香り。

ゲランのルールブルー。

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トレーシー・ルック3

バスローブ
  • バスローブ、ショートガウン、ショールカラー、クリーム色のタオル地にネイビーのウインドウペーン、
  • 白のデコルテ全開のブラジャー

デコルテ・ドレス専用の白のブラジャー。

ボンドのワルサーPPKを奪うトレーシー。

ワルサーPPKが最も似合うボンドガール。

そして、早朝独りぼっちのボンドが女性用のバスローブを着る。

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ミス・マネーペニーの登場。

非常に珍しいマネーペニーとボンドのキスシーン。

彼女が登場して、はじめてボンドムービーは始まる。

歴代ボンドの中でも最もセクハラが凄かった二代目。

二人に演技指導する監督のピーター・ハント。というかレーゼンビーのこのスタイルは一体どういうことなのでしょうか?

ピーター・ハントが「最高のマネーペニー」と自負するほどに、本作の彼女のファッションには力が入っていました。

イエローをベースにしたタータンチェックのスカートスーツに、白のタートルネックを合わせたミス・マネーペニーことロイス・マクスウェル(1927-2007)が登場してはじめて私たちはボンド・ムービーを見ているのだと実感させられるのです。

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トレーシー・ルック4

乗馬服ルック
  • スモーキングジャケット風ブラック・ノーカラージャケット
  • レースのブラウス、レースの袖
  • ショッキングピンクのベルト
  • 黒のガウチョパンツ
  • ブラック・レザー手袋
  • ソフト帽、ブラック
  • 黒の乗馬ブーツ






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「愛はすべてを越えて」のトレーシー・ファッション

以下、ルイ・アームストロングの「愛はすべてを越えて」を背景に、僅か2分の間でチェンジされていく、トレーシー・ファッションについて紹介していきましょう。

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トレーシー・ルック5

シフトドレス
  • エメラルドグリーンのサテン生地のチャイナドレス風シフトドレス


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トレーシー・ルック6

シフトドレスPART2
  • グリーンリーフカラーのシフトドレス
  • ハイヒールサンダル

このシフトドレスが本当に可愛らしいです。60年代後半という時代の空気と見事なまでにマッチしています。



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トレーシー・ルック7

スカート・スーツ
  • ピンクのソフト帽、グリーンベースのスカーフ
  • 同色のベルト付きテーラード・スカート・スーツ
  • 白のハンドバッグ
  • 白のローヒールパンプス




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トレーシー・ルック8

リゾート・スタイル
  • 万華鏡のようなカラーリングのリゾートウェア

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トレーシー・ルック9

ツイードスーツ
  • イエローのハウンドトゥースチェックのブルトン、ブリムの裏はサテン
  • ペールイエローのサテンスカーフ、四葉のクローバーのブローチ
  • 同色のツイードのスカートスーツ


作品データ

作品名:女王陛下の007 On Her Majesty’s Secret Service(1969)
監督:ピーター・ハント
衣装:マージョリー・コーネリアス
出演者:ジョージ・レーゼンビー/ダイアナ・リグ/テリー・サバラス/アンジェラ・スコーラー/カトリーヌ・シェル