アクア アレゴリア ローザ パリッサンドロ フォルテ
原名:Aqua Allegoria Forte Rosa Palissandro
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/17,160円
公式ホームページ:ゲラン
神秘的な薔薇色の木と、華やかに咲き誇る薔薇のデュエット
ゲランが、極めつけの天然素材をピックアップし、その素材から明るい一面を引き出し、幸せなひとときを人々に与えてくれる軽やかな香りを作るというコンセプトで、1999年に誕生した『アクア・アレゴリア』シリーズ。
ゲラン調香師のデルフィーヌ・ジェルクが、シリーズを代表する2種の香りを、2022年にオード・パルファム=『アクア アレゴリア フォルテ=究極のアクア・アレゴリア』として再構築しました。さらに〝第三のフォルテ〟として2023年5月1日に「ネロリア ベチバー フォルテ」が発売されました。
そして、2023年9月1日にさらなる三種類の〝フォルテ〟が新たに加わることになりました。「ボスカ ヴァニラ フォルテ」「ローザ パリッサンドロ フォルテ」「ウード ユズ フォルテ」です。三種類すべてがデルフィーヌ・ジェルクにより調香されました。
「ローザ パリッサンドロ フォルテ」は、ターキッシュローズとパリサンダー・ローズウッドが織り成す、神秘的な薔薇色の木と、華やかに咲き誇る薔薇のデュエットです。
パリサンダー・ローズウッドは、ゲランにおいて古くは「ジッキー」でも使用されています。最大92%を占めるリナロールが豊富に含まれており、柑橘のフレッシュさとローズの華やかさ、そしてペッパーのスパイシーさが、ウッディの温かみの中から感じられる複雑で繊細な香り立ちが特徴です。
一方、この香りの中で使用されているローズアブソリュートは、ゲランが伝統的に使用しているトルコのアナトリア高原にあるバラの産地で収穫されたダマスクローズの花びらから抽出されたものです。濃厚で華やかな甘い蜂蜜のような香りが特徴です。
2016年以降、市場に流通するようになった天然のローズウッド精油
この香りの主役はターキッシュローズです。 フレッシュでスパイシーなローズウッドと優しく官能的なターキッシュローズアブソリュートが完璧なバランスでブレンドされています。
私は物心ついたときからずっとローズの香りが大好きでした。なぜならローズは私の感情を強く揺り動かすからです。特にゲランのターキッシュローズは無邪気さと成熟さを同時に表現してくれます。だから、私が唯一無二のローズに恋をするのは難しいことではありませんでした。
ティエリー・ワッサー
かつて多くの名香(ディオールの「ディオリシモ」)で使われてきたローズウッドは、それ自体でも香水になるほど複雑で神秘的な香りを生み出す香料でした(もちろん調香に使用すると、香りに奥行きをもたらしてくれます)。
しかし20世紀末(1995年)から、乱獲を防ぐためワシントン条約により厳密な仕入れ管理がされるようになり、天然のローズウッドの精油はずっと市場に出回らない状況となりました。そして代わりにラベンダーやリナロールと他の香料をブレンドして作り出されたローズウッドアコードが使われるようになりました。しかし、本物の精油にはまったく及ばない代物でした。
失われた天然のローズウッド精油を市場に蘇えらせたのは、フローラル・コンセプト社の創立者であるフレデリック・レミーでした。彼女によって2016年以降、ペルー産のローズウッドの精油が市場に出回るようになりました。
香料会社がこの精油を手に入れるるためには、輸出&輸入証明書の申請期間と精油のつまった樽の空輸のために、約3ヶ月待たないといけないため、とても高級な香料となっています。
ゲランや多くのラグジュアリー・フレグランスの価格がなぜ上がっているのか?それは日本の香水販売に関わる人たちに、しっかり理解して頂きたいのですが、生産者を保護し、搾取せず、一本木を伐採すると、二本植えたりと、継続性を重要視し、さらに、保護されているものに関しては、証明書を取得したり、空輸したりと手間隙をかけているからです。
ハイエンドのラグジュアリー・フレグランスとは、ただ香り立ちがどうだけでなく、〝みんなが豊かになるための香水〟を作り出しているのです。
心に空いた樽を満たすように広がってゆくスパークリングロゼ
「ローザ パリッサンドロ フォルテ」は、ローズウッドの美しさへのオマージュです。フローラルでスパイシーなトーンをもつフレッシュなウッドに、 パチョリとサンダルウッドの力強さがお互いを高めあい、エレガントなローズの蔦が優しく包み込みます。
デルフィーヌ・ジェルク
香りには、スプレーを吹きかける瞬間にしか音は存在せず、素肌に着地した瞬間に音のない爆発が起こるときがあります。そして、音のない音楽の状態に素肌は満たされるのです。
そんな『音のない音楽会』を素肌で展開してくれるのがこの「ローザ パリッサンドロ フォルテ」なのです。それはローズウッドのうっとりするようなフレッシュな木の香りからはじまります。すぐにベルガモットとコリアンダーが加わり、音のない爆発が生まれるのです。
三つの香料に共通して含まれているリナロール(スズランやライラックの香りを生み出す主成分)が爽やかに弾けていきます。ローズウッドを最初から感じられるところがこの香りの肝です。爽快感と荘厳なる温かみの見事な共存がそこに生まれるのです。
やがて、レモンのようにみずみずしく、スパイシーなターキッシュローズがゼラニウムとひとまとめになりながら、華やかに花蜜を湛え開花してゆくのです。かくしてローズウッドは、生き生きと躍動するように、バラの花びらと共に、素肌の上を駆け抜けて行くのです。
そして、クリーミーなサンダルウッドがパチョリと共に注ぎ込まれ、ロゼ・ワインによって磨きこまれたローズウッドと遭遇し、心に空いた樽を満たすように広がってゆくのです。
香水データ
香水名:ローザ パリッサンドロ フォルテ
原名:Aqua Allegoria Forte Rosa Palissandro
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/17,160円
公式ホームページ:ゲラン
トップノート:コリアンダー、ベルガモット
ミドルノート:ダマスクローズ、パリサンダー・ローズウッド、ゼラニウム
ラストノート:サンダルウッド、パチョリ