トンカ アンペリアル
原名:Tonka Imperiale
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2010年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/34,650円、100ml/48,400円、200ml/69,300円
トンカ帝国の逆襲
(トンカビーンに存在するクマリンとは)甘くて、ハーブのようにあたたかく、ややスパイシーな匂いがあり、かなり希釈すると干草のような、ナッツのような、タバコのような香りになる。
ステファン・アークタンダー
2005年、パリ・シャンゼリゼ通り68番地のゲラン本店のリニューアルオープンを記念して発売された「ラール エ ラ マティエール(芸術と貴重なる生の素材)」コレクションは、時のクリエイティブ・ディレクター、シルヴェーヌ・ ドゥラクルト(マチルド・ローランと共にジャン=ポール・ゲランの下で学んだ女性)によって生み出されました。
この〝世界で最も貴重な原料を使ってゲランのパッションを表現して欲しい〟というコンセプトにより生み出されるコレクションの第八弾として、2010年に発売された「トンカ アンペリアル」は、ゲランの五代目調香師ティエリー・ワッサーによって調香されました。
ゲランのあらゆる香りの中枢を占めてきた(ゲルリナーデの根幹を支えてきた)、ベネズエラの森で採れる希少なトンカビーン。このトンカビーンからクマリンが抽出されます。ちなみに、クマリンは1868年に最初に合成され、「ジッキー」ではじめてリナロールとエチルバニリンと共に使用されました。
そんなトンカビーンに、「ジッキー」から「シャリマー」「アビルージュ」まで、ゲラン歴代の名香に使われてきた爽やかなローズマリーの香りを調和させたのがこの香り「トンカ帝国」です。
トンカビーンが持つ、アーモンド、パウダリー、バニラ、ウッディ、蜂蜜などの側面がまるで生きているかのように自由奔放に華やかに香り立つ、中毒性を生み出すウッディオリエンタルの決定版とも言えます。
トンカビーン。それはゲルリナーデの宝刀
シルヴェーヌ・ ドゥラクルトが〝ジンジャーブレッドとチョコレートの間〟と形容するこの香りのはじまりは、苦いビターアーモンドとローズマリー、ベルガモットのハーモニーの中に、クリーミーな甘いバニラがどくどくと注ぎ込まれるようにしてはじまります。
それは円やかな甘さと感情を高ぶらせる苦みの、絶妙なアンバランスなバランスによって生み出されています。さて、ローズマリーのラッパがみんな鳴り響いて、いよいよトンカビーンが到来します。
全体的に甘いトーンを携えながら、様々な側面をスモーキーなタバコにより解き放たれたトンカビーンの芳香は、まるでハイクラスの人々が集まる伝統的な趣のあるバロック調のホテルのロビーに充満する、趣味の良い香りがすべて集約されたような複雑な香り立ちで包み込んでくれます。
そして、ドライダウンにおいて、ムスクの存在でお茶を濁すことは決して許されないとばかりに、ジャスミンとアンバーによりますます荘厳さと輝きを与えられたトンカビーンは、頭上に王冠を頂く瞬間のように、黄金のシャワーとなって全身に降りかかるのです。
自分自身の心に余裕がないと、その栄光の黄金のシャワーに溶かされてしまいそうなほど〝眩しい香り〟です。
「ジッキー」のラベンダーをローズマリーに置き換えてみたら?というシルヴィーヌとティエリーの会話の中の閃きから生まれた香りです。
香水データ
香水名:トンカ アンペリアル
原名:Tonka Imperiale
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2010年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/34,650円、100ml/48,400円、200ml/69,300円
トップノート:ベルガモット、ビターアーモンド、ローズマリー
ミドルノート:ジャスミン、トンカビーン、タバコ
ラストノート:インセンス、シダーウッド、松(パイン)、アンバー、バニラ