754
原名:754
種類:オード・パルファム
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:不明
ニューヨークの超高級百貨店バーグドルフ・グッドマンの香り
メゾン・フランシス・クルジャンから、フランシス・クルジャンが2012年にアメリカ・ニューヨークの超高級百貨店バーグドルフ・グッドマンの111周年を記念して作った「754」(300ドル)は、バーグドルフ・グッドマンの住所である五番街754の〝754〟から採られました。
バーグドルフ・グッドマンとは、1901年に創業された超高級百貨店で、1928年にバスター・キートンがこの建物の前をサイレントムービーで駆け抜け、『麗しのサブリナ』でオードリー・ヘプバーンがジバンシィのスカートスーツとターバンハットと合せていたイヤリングを購入した百貨店であり、ハリウッドスターのステイタスを示す聖地でした。
『セックス・アンド・ザ・シティ』でも頻繁に登場し、『オーシャンズ8』(2018)ではサンドラ・ブロックが化粧品をかすめ取るシーンで登場します。
超富裕層も凄腕の詐欺師も吸い寄せる、惡の華の園バーグドルフ・グッドマンのために作られたこの香りは、親会社のニーマン・マーカス・グループが2020年5月に経営破綻した事により、廃盤になったのですが〝クルジャンの幻のラグジュアリー・ムスクの名香〟として根強い人気を誇っています。
〝上流社会の香り〟の決定版=クルジャンのラグジュアリー・ムスク
そんな〝惡の華を集めるラグジュアリー・ムスクの香り〟は、磨き上げた大理石の上に横たわる一糸まとわぬ肉体の上に、爽快に酸味を弾けさせるレモンと、清らかなカリオンの音色のようなスズランの香りが、軽やかにフレッシュに吹きかけられるようにしてはじまります。
最初のひと吹きから、大理石、ダイヤモンド、真珠、プラチナ、クリスタル、高層ビルから見下ろす街並みといったラグジュアリーな朝の7時54分の空気に満たされていくようです。
すぐに内から秘めやかに放射するようなホワイトムスクの光に全身が満たされてゆきます。「アクア ユニヴェルサリス」と「プティ マタン」の線上に存在する香りなのでしょうが、只者ではない風格と存在感がこの香りから感じられるのです。でありながら日常にまったく邪魔にならない所が、この香りの恐ろしい所です。
そしてホワイトムスクとガラクソリドの光に照らされ、涼やかにフルーティなスイートピーと爽やかに甘いフリージアが、明るく幸福感が爆発するように広がってゆきます。どこまでも洗練された空間で感じる至福のラグジュアリーな時間を過ごす喜び、都内だと、青山のTWO ROOMS GRILLでのランチタイムでしょうか。
明らかにサンダルウッドだけではない、繊細かつクリーミーな木々の囁きが、素肌の上に散りばめられたレモンとスズランを中心とした花々の輝きと、見事なハーモニーで包み込んでくれます。
まさにシルクのホワイトブラウスの香り。マンハッタンの朝の風がすべりこみ、ふんわりと膨らむシルクのラグジュアリー感に包み込まれ、マンハッタンとひとつになる喜びに満たされる香り。なかなか見つけることの出来ない〝上流社会の香り〟の決定版と言えます。
香水データ
香水名:754
原名:754
種類:オード・パルファム
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:不明
トップノート:レモン
ミドルノート:スズラン、スイートピー、フリージア
ラストノート:ホワイトムスク、サンダルウッド