ヤン・ヴァスニエ
Yann Vasnier 1976年、フランス・ブルターニュ地域圏・レンヌ生まれ。13歳の頃から、両親が別荘を持つディナールで、のちにディヴィンヌ(Divine)のオーナーになるイヴォン・ムーシェルが経営する香水のセレクトショップに夢中になる。そして、シャネルのヴィンテージ香水のコレクションを開始する。
1996年9月で調香師見習いとして雇用され、すぐにイジプカに入学します。2007年にジボダン社に移籍し、2009年にカリス・ベッカーと共に調香したマーク・ジェイコブスの「ロラ」が2010年FiFi賞の女性フレグランス・プレステージ部門で最優秀賞を獲得し、次世代の調香師として一躍脚光を浴びることになる。
代表作
アルデヒド44 ダラス (ルラボ)
イングリッシュ オーク & ヘーゼルナッツ コロン (ジョー・マローン・ロンドン)
ヴェルベットオーキッド (トム・フォード)
コスタ アジューラ (トム・フォード)
サンタル ブラッシュ (トム・フォード)
バング (マーク・ジェイコブス)
香りの世代交代。
私は子供の頃から、カール・ラガーフェルドのシャネルに魅了されていました。そして、両親はN°19(No.19)とプールムッシュの大きなボトルを所有していました。一方、私はボワ ノワールに夢中でした。私はヴィンテージを愛し、ボワ デ ジルやキュイール ドゥ ルシーを愛しました。
ヤン・ヴァスニエ
1970年代生まれの調香師の活躍が顕著になってきています。カルティエの専属調香師であるマチルド・ローランを筆頭に、シャネルの若きプリンス・オリヴィエ・ポルジュ、美しき女性調香師マリー・サラマーニュもそうなのですが、フランシス・クルジャンのプリンスの座を継承するべく、破竹の勢いを見せているのが、美貌の男性調香師ヤン・ヴァスニエなのです。
ヤンは、フランス・ブルターニュ地域圏の田舎町レンヌにて、三兄弟の次男として生まれました(19歳までかの地に住んでいた)。父親は農業省で獣医として働き、母親は、財務省で会計士をしているという教養のあるエリートの両親の下で育ちました。、二人は、100種類以上の植物を植えた自宅の大庭園に情熱を燃やしており、スポーツ以外はとても優秀だったヤン少年は、そんな両親の植物に対する愛情を早々に共有ことになりました。
13歳の頃から、両親が別荘を持つディナールで、のちにディヴィンヌ(Divine)のオーナーになるイヴォン・ムーシェルが経営する香水のセレクトショップに夢中になりました。そして、おこづかいの全てを使い、香水収集をはじめました。セルジュ・ルタンスやアニック・グタールの香りに慣れ親しみ(2002年から彼のために調香を手がけることになる)、何よりも、シャネルのヴィンテージ香水のコレクションを開始したのでした。
私は青春時代の思い出の香りを大切にしています。それは塩、バター、クレープ、キャラメル、そして自家製のフルーツジャムの香りです。ブルターニュは家畜の街なので、牛や豚の匂い、そして、薔薇、雨の日の香り、岩が多い海岸の香り、そして、ビーチの香り。何よりも、私は両親が常に身に纏っていたシャネルに包まれて大人になったのです。
ヤン・ヴァスニエ
その頃から早くも調香師になることを決意し、2年間で3000種類の香水のカタログを自作し、香水の研究に励みました。学校を首席で卒業したヤンは、1996年9月にクエスト・インターナショナル社で調香師見習いとして雇用され、すぐに調香師学校ISIPCA(イジプカ)に入学します。クエストでは、フランソワーズ・ キャロンの下でトレーニングを受けました。そして、2001年にヤンは最初のフレグランスとして、コムデギャルソン シリーズ2 レッド パリサンダーをフランソワーズと共に調香しました。
パーティと自然を愛するイケメン調香師
私にとって永遠の憧れの調香師はフランソワーズ・ キャロンです。ミシェル・アルメラック、ジャン=クロード・エレナ、クリスティーヌ・ナジェル、クリストファー・シェルドレイクは、私にとって尊敬の対象です。そして、私が何よりも愛するシャネルの、新しい調香師オリヴィエ・ポルジュには、注目しています。
ヤン・ヴァスニエ
2003年7月にヤンは、インターナショナル・ヤング・パフューマー賞を受賞します。クエスト社では、ニューヨークのマンハッタンで勤務し、クリスティーヌ・ナジェル、フランシス・クルジャン、クリストファー・シェルドレイクと共にセルジュ・ルタンスなどのプロジェクトにも参加する機会を与えられました。
そして、2007年にジボダン社に移籍し(この年ジボダンはクエストを買収した)、2009年にカリス・ベッカーと共に調香したマーク・ジェイコブスの「ロラ」が2010年FiFi賞の女性フレグランス・プレステージ部門で最優秀賞を獲得し、次世代の調香師として一躍脚光を浴びることになったのでした。
私にとって最も大切な瞬間。それは友達のために香りを作る瞬間です。それは商業的な配慮から解き放たれた瞬間であり、友人に今までどのような香りを愛し、好きな食べ物、色、場所、音楽といったものを尋ねて、創作していくのです。このひと時が、私の未来の創造に与えている影響は計り知れないのです。
パーティ好きだが、とても謙虚で礼儀正しい人であるヤンにとって、ミケランジェロ、ロダン、ゴーギャン、マティス、モンドリアンからバーネット・ニューマン、ダン・フレイビンといったモダンアートまでの全てのアートが彼の創造の原動力となっています。
ディオールやエミリオ・プッチなどをさらりと着こなす姿にその毛並みの良さを感じさせる優雅なる若き調香師ヤン・スヴェニエこそ、調香界の次世代のプリンスと呼ぶにに相応しいのではないでしょうか?
私が誰かのために香りを調香することが許されるとしたら、カトリーヌ・ドヌーヴ、ラーニア・ヨルダン王妃、カニエ・ウェスト、カール・ラガーフェルドのために創作したいです。
ヤン・ヴァスニエ