モーリス・ビンダーとリタ・クーリッジ
超小型ジェット機でガソリンスタンドに乗りつけ「ハイオク、満タンで」と笑顔でニッコリするボンドと共に、タイトル・ソングが流れます。
モーリス・ビンダー爺のタイトル・アートをバックに歌うのは、リタ・クーリッジ(1945-、クリス・クリストファーソンの元妻、1977年に「ウィ・アー・オール・アローン」を大ヒットさせる)です。
この妖艶なタイトル・デザインは、まさに80年代のポルノ時代の到来を予見させるエロティシズムに満ちています。
それにしても、リタ・クーリッジの主題歌がとてもアダルトです。前作のポップ・アイドル路線(シーナ・イーストン)から一転して、大人の音楽をタイトル・ソングに選抜するボンド・ワールドの懐の深さには驚かされるばかりです。この曲は、『女王陛下の007』のルイ・アームストロングや『007 私を愛したスパイ』のカーリー・サイモンによる主題歌と並ぶロマンティックでステキな主題歌です(ダニエル・クレイグのニューボンドの不幸は、主題歌に恵まれないところにあります)。
ボンドスーツ BY ダグラス・ヘイワード
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「ファベルジェの卵」は、「オーシャンズ12」(2004)でも登場します。
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ファニングのスーツはアンダーソン&シェパード製の可能性大。
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サザビーズ前のボンド・ストリートに佇むジェームズ・ボンド。
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マネーペニー(右)と一作限りの助手ペネロプ・スモールボーン(左)と共に
ジェームズ・ボンド・スタイル2 グレー・ストライプ・スーツ
- ダグラス・ヘイワードによるロープストライプ・3ピース・グレースーツ、3つボタン、ダブルベンツ
- フランク・フォスターの水色シャツ
- ワインレッド・タイ
- ブラックレザー・スリッポン
本作のスーツも前作に引き続きダグラス・ヘイワードがカッターをつとめています。そして、スーツ・スタイル全般に言うことができる魔法を、この作品で知ることが出来ます。
20代の男性がスーツ・スタイルになると実年齢よりも上に見え、50代の男性がスーツ・スタイルになると実年齢よりも若々しく見えるという魔法です。正しいスーツ・スタイルとは、この魔法を生み出すシルエットと生地選びに終始しないといけないのです。
ジェームズ・ボンド、インド初上陸!
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ベージュ色のコットンギャバジンスーツが若々しさを演出しています。
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ムーア=ボンドの特徴として、とにかくスリッポンが好きです。
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スパイにしては否応なしに目立つ明るい色のスーツ。
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黄金色のレジメンタル・タイを締めています。
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縦笛を持つロジャー・ムーアとコブラ。
ジェームズ・ボンド・スタイル3 グレー・ストライプ・スーツ
- ダグラス・ヘイワードによるベージュ色のコットンギャバジンスーツ、2つボタン、ダブルベンツ
- フランク・フォスターの白のドレスシャツ
- 英国式レジメンタルタイ、茶色と黄褐色
- 茶色のレザースリッポン
本作のベスト・スーツと言えるのが、このコットンギャバジン・スーツです。その全てが、インドを象徴するコブラを連想させるカラー・バランスとなっています。