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ロジャー・ムーア10 『007 ユア・アイズ・オンリー』1(2ページ)

ジェームズ・ボンド
ジェームズ・ボンド
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幻のトレンチコート

老けたマネーペニーにショックを受けたJBの背後にはトレンチコート。

これはどこのブランドのトレンチコートなのでしょうか?

トレンチを着た幻のショット。

本作の撮影の寸前にM役のバーナード・リーが死去したため、M不在の中物語は進んでいきます。

50代半ばに突入したロジャー・ムーア。本作も当初は降板を希望していた。

ジェームズ・ボンド・スタイル2 チョークストライプ・スーツ
  • テーラー:ダグラス・ヘイワード
  • ネイビー・フランネル・チョークストライプ3ピーススーツ、2つボタン、シングル、ダブルベンツ
  • ネイビー地に白とグレーのレップタイ
  • フランク・フォスターのライトブルー・コットンシャツ
  • ベージュのトレンチコート、セットインスリーブ

ダグラス・ヘイワードによるボンドスーツは、現代の視点から見ると、ジャケットは長めであり、80年代を象徴する低いボタン位置でした。

それにしても、本編においては着用することのなかったトレンチコートが気になります。10ボタンではなく8ボタンが特徴であり、裏地もバーバリーやアクアスキュータムとは違うものでした。

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ルパン三世 カリオストロの城から影響を受けたカーチェイス?

大富豪のプールサイドにはべらされた美女=ボンドムービー。

フェラガモのローファーのヒールが結構高いことが分かる写真。

ブルゾンの袖口にはボタンがあります。

一見するとおじいちゃんのカーディガンに見える冴えないシルエット。

サルヴァトーレ・フェラガモのホースビットローファー。

時代を感じさせる半袖シャツの襟。襟は時代を映す鏡なのです。

襟なしのスエードレザーブルゾン。



ジェームズ・ボンド・スタイル3 スエード・ブルゾン
  • オリーブグリーンのスエード・ブルゾン、セットインスリーブ、フロントジップ
  • フランク・フォスターのコットンの半袖ジャージシャツ、ボタンはマザー・オブ・パール、左胸にポケット
  • 茶色のレザーベルト
  • ライトブラウン・リネントラウザー
  • サルヴァトーレ・フェラガモの茶色のホースビットローファー

当時スーパーカー・ブームが沈静していたのと呼応するように、せっかく素晴らしいシルエットを見せてくれているロータス・エスプリターボは何の活躍もなく盗難防止装置により自爆してしまいます。

そして、メリナが乗ってきたシトロエンの2CVでカーチェイスが繰り広げられるのだが、『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)のカーチェイス・シーンと良く似ています(クラリスはこの車を運転し、ルパン達は、フィアット・500を運転しています)。本作が撮影されていた1980年において、『ルパン三世 カリオストロの城』は、ヨーロッパで公開されたことはないので、このシークエンスの類似点は偶然の一致としか言いようがないでしょう。

逆に言うと、『ミニミニ大作戦』(1969)のカースタントをコーディネートしたレミー・ジュリアンが、このカースタントを担当したということと、『ルパン三世 カリオストロの城』のカーチェイスシーンは、明らかに『ミニミニ大作戦』の影響下にあることから、真実はどういうことか明らかになるのではないでしょうか?

期待を裏切り何の活躍もせずにただ自爆しただけだったロータス・エスプリターボ。

本作のカーチェイスの主役であるシトロエンの2CV。

それにしても、ロジャー・ムーアのジェームズ・ボンドには、カーチェイス中の会釈のお約束が本当に様になります。

ボンドムービーのカーチェイスと他のアクションムービーのカーチェイスの違いを一言で述べよと言われたならば、「会釈」ありかなしかなのです。そして、これがあるからこそ、ジェームズ・ボンドは永遠の男たちの憧れなのです。