ピュア プワゾン
原名:Pure Poison
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:カルロス・ベナイム、ドミニク・ロピオン、オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:30ml/11,550円、50ml/16,720円
公式ホームページ:ディオール
現シャネルの調香師が生み出した〝純度100%の毒薬〟
1985年に世界中にセンセーションを与え、ディオール帝国の復活の狼煙となった「プワゾン」から9年後の1994年に第二弾となる〝やさしい悪魔〟「タンドゥル プワゾン」が発売されました。そしてその4年後の1998年に発売された〝第三の毒〟それが〝眠りを誘う毒〟「ヒプノティック プワゾン」でした。
さらに6年の歳月を経て、2004年に発売された〝第四の毒〟が「ピュア プワゾン」です。それは〝純度100%の毒薬〟という名のフレグランスです。そこにはダブル・ミーニングがあります。ひとつは、「毒をもって毒を制する=カウンター・ポイズン(毒の解毒剤)」。そして、もうひとつは、「ピュア(=純粋)な成熟した女性が果たして存在するのだろうか?」という哲学的なテーマです。
フローラル・オリエンタルの香りは、カルロス・ベナイム、ドミニク・ロピオン、オリヴィエ・ポルジュが、2年の歳月をかけ調香しました。現在のシャネルの四代目専属調香師をつとめるオリヴィエ・ポルジュが調香した、唯一のレディ・ディオールの香りです。
他人の心をハッとひくような〝天使の顔をした悪魔のプワゾン〟
〝本当に危険な悪魔とは、天使の顔をした悪魔〟ということを教えてくれるこの香りは、パッっと清潔感で輝いているような白いシャツが似合う、かいがいしくキリッとした女性が、夫以外の男性の前で、健康的なショートパンツ姿で「さあ、ボク、私をつかまえてえごらん」と言わんばかりの悪戯な眼差しを送ってくる〝最も危険な遊戯=天使の悪戯〟のようです。
スプレーをひと吹きした瞬間から、他人の心をハッとひくような効果が現れます。爽やかに広がるベルガモットとオレンジのしづやかな甘さは、うつくしい女性の微笑と目配せのようです。すぐに信じられないほど美しいジャスミンが、妖しいインドールを煌めかせながら、透き通るような甘い吐息を満ち広がらせてゆきます。
隙のない人妻が見せる隙ほど危険なものはありません。もっともっと甘いオレンジ・ブロッサムも加わり、そんな罠が張り巡らされていくように、クリーミーなサンダルウッドとドライなシダーが情熱と冷静さの間で、ホワイトフローラルの輝くオーラを解き放ってゆきます。
それにしてもカラブリア地方のベルガモットの果皮から低温圧搾法抽出したという貴重なベルガモットのエッセンスが、くっきりとしたさわやかな甘い香りで、生きる喜びをもっともっと感じたいという気持ちを呼び覚ましてくれます。
やがて、ガーデニアとホワイトムスクが加わり、すべてがひとまとめになり〝限りなく透明に近い毒=プワゾン〟が誕生するのです。こんなに優しく抱擁されたら、どんな男性でも夢中になってしまうはず...そんな〝ゆっくりと燃え上がる、優しい抱擁〟で周りを巻き込んでゆく香りです。その白い指先から目が離せなくなるような、香りです。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ピュア プワゾン」を「ウッディ・ジャスミン」と呼び、「どっしりとした、甘いオレンジブロッサムとジャスミンの香りに、砂糖漬けのオレンジピールもプラスされ、仕事だということをアピールする、力強いウッディ・ノートもいくらか添えてある。」
「胸の谷間を美しく見せるワンダーブラを身につけているのに、ブラウスらしきものは見当たらない、そんなスタイルの女性を対象にデザインされたような感じ。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ピュア プワゾン
原名:Pure Poison
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:カルロス・ベナイム、ドミニク・ロピオン、オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:30ml/11,550円、50ml/16,720円
公式ホームページ:ディオール
トップノート:オレンジ、シチリア産マンダリン、ベルガモット、ジャスミン
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、ガーデニア
ラストノート:サンダルウッド、シダー、ホワイトアンバー