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クリスチャン・ディオール

【ディオール】プワゾン ガール アンエクスペクティッド(フランソワ・ドゥマシー)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
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プワゾン ガール アンエクスペクティッド

原名:Poison Girl Unexpected
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2018年
対象性別:女性
価格:50ml/11,660円、100ml/17,380円

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毒の毒は、ただの解毒剤。

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「プワゾン ガール アンエクスペクティッド」では、サワーキャンディのような印象が強い対立し合う感覚をフレグランスに表現したいと考えました。フルーティノートのコントラスで遊び、やがてスパイシーでセクシーなアコードへと展開する香り。ほんのりソルティーなジンジャー・ノート。

このフレグランスは、口の中で弾けた後に甘さが広がる、サワーキャンディのような表現豊かな魅力を余すことなく表現しています。

フランソワ・ドゥマシー

1985年に世界中にセンセーションを与え、ディオール帝国の復活の狼煙となった「プワゾン」から9年後の1994年に第二弾となる〝やさしい悪魔〟「タンドゥル プワゾン」が発売されました。そしてその4年後の1998年に発売された〝第三の毒〟それが〝眠りを誘う毒〟「ヒプノティック プワゾン」でした。

さらに6年の歳月を経て、2004年に発売された〝第四の毒〟が「ピュア プワゾン」でした。そして2007年に第五弾として「ミッドナイト プワゾン」が発売され、2016年2月(日本上陸は同年6月3日)に第六弾となる〝ミレニアム世代のためのプワゾン〟「プワゾン ガール」が発売されたのでした。

そのフランカーとして2018年に発売されたのが「プワゾン ガール アンエクスペクティッド」でした。ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。

その名の通り、フルーティな香りの中に、時限爆弾のように今にも爆発しそうなスパイシーな天然香料を仕掛けていくという予想外(アンエクスペクティッド)な香料の組み合わせで生み出されたスパークリング・フルーティ・フローラルの香りです。ちなみにオリジナルに存在したビターアーモンドの香りは一切存在しません。

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フルーティフローラルの中に仕掛けられた時限爆弾のようなジンジャー

©DIORBEAUTY

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背筋を震わせる電光石火の感覚のようなジンジャーのスリリングなきらめきからこの香りははじまります。ほんのりと塩辛さもある爆発するように甘辛いこのジンジャーは、タンザニア産のジンジャーが通常の二倍の量で配合されています。

すぐにピリっとジューシーなブラッド・オレンジとレモンが溶け込み、ポップでグラマラスなサクサクとしたシトラスの活発な空気に満たされてゆきます。どこかクロンダイク・クーラーのように酔わせる大人の余韻も感じさせます。

そんな中から艶やかにたおやかなダマスクローズと甘やかなジャスミン・サンバックが、バニラとムスク、トンカビーンに、ヘーゼルナッツのうっとりするような香ばしさを絡め合わせながら、あくまでシトラスの輝きとジンジャーのきらめきを残したまま、すべてをクリーミーにひとまとめに、温かく、そして甘く包み込んでゆくのです。

2024年の時点で、最後の「プワゾン」となる香りは、〝毒の毒〟つまりは、毒々しさを一切失った〝天使〟のような香りです。

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香水データ

香水名:プワゾン ガール アンエクスペクティッド
原名:Poison Girl Unexpected
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2018年
対象性別:女性
価格:50ml/11,660円、100ml/17,380円


トップノート:タンザニア産ジンジャー、ブラッド・オレンジ、レモン、ソルティノート
ミドルノート:ダマスク・ローズ、ピオニー、ジャスミン・サンバック
ラストノート:バニラ、ベネズエラ産トンカビーン、ヘーゼルナッツ