オリス タトゥー
原名:Orris Tattoo 29
種類:オード・パルファム
ブランド:パルル モア ドゥ パルファム
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/15,400円、100ml/25,300円
販売代理店:ラトリエデパルファム
最も希少価値の高い天然香料のひとつオリス・ルートとは?
2016年に創業されたパルル モア ドゥ パルファムから2018年に発売された「オリス タトゥー」は、調香師にとって、最高の天然素材のひとつオリス・ルートをインクのように扱い〝永久的な香りの記憶、普遍的なシンボル、香りの記憶を刻み込む見えないタトゥー〟を生み出そうとした香りです。
ブランドの意向や市場に関係なく、本当に自分が生み出したい香りを心ゆくまで追い求める環境を手にした巨匠ミシェル・アルメラックにより調香されました。
イリスバターの香りには多面的な特徴があるので、ウッディと同じくフローラルノートにも組み合わせることができる。ヴァイオレットやミモザ、ウッディの香気がきわめて濃厚なことに加えて、あちこちにキャロットとフルーティなラズベリーの香りが感じられる。
アマンディン・マリー
香料としてのアイリスは、最も高価な原料の1つであり、花ではなく、根茎(オリス・ルート)から精油を採取します。まず根茎は、植えられてから2~3年後に収穫されます。植える際の土壌は品質に多大な影響を与え、軽く、乾燥し、石がたくさん入っており、花崗岩や石灰岩、ローム層が混ざった土壌が良いとされています。収穫は、フィレンツェでは湿度の低い9月~10月に行われます。
その後、収穫された根茎は、皮をむいて洗浄&乾燥(この時点ではあまり香らず、ジャガイモのような臭いがする)させます。その際、剥いた根茎が白色の場合、品質が良いと判断され、黒色の場合は品質が普通と判断され、価格は安くなります。
そして、香気成分であるイロン(Irone)の濃度を増やすために、木箱に入れて3~4年乾燥(熟成)させます。100kgの根茎は乾燥により、25-30kgになります。乾燥させた根茎は、ニオイが弱く黒い色のものは低品質、ニオイが強く明るい色のものは高品質に分類されます。
最後に根茎を粉末状にし、水蒸気蒸留にかけることでヴァイオレット調/ウッディ調のパウダリーな香りがするワックス状のペーストができます(収率約0.02%=1kgで0.2g)。常温で固体のため、これをイリスバター/オリスバター(イリスコンクリート/オリスコンクリート)と呼びます。イロンの濃度は18%~20%で、その香りの中に、わずかに土っぽさがあります(1kgあたり150万円ほどになる)。
〝Orris Tattoo 29〟。ちなみに、最後についている数字は、試作回数を示しているのですが、この香りの試作回数は僅か29回ということになります。
オリスバターとフィグリーフとサンダルウッドの香り
私が、愛の香りは何かと聞かれて連想するのは、口紅のような、つまり、アイリスやヴァイオレットのようなエレガントで魅惑的な香りです。
ミシェル・アルメラック
パウダリーなオリスルートが、グリーンなフィグリーフとムスクに溶け合い、切りたての草の緑の甘さを滑らかに引き伸ばしていくようにしてこの香りははじまります。フィグリーフのココナッツのような明るい甘さは最初から最後までこの香りのアクセントとなっています。
すぐにキャロットシードのようなアーシーかつエアリーな浮遊感に全身が包み込まれる中、甘やかなヴァイオレットと温かく花蜜に満ちたスパイシーなヘリオトロープが加わり、オリスルートは素肌に広がる〝リッチなオリスバター〟となります。
やがてはじまりの土っぽさは消滅し、肌はフレッシュパウダリーに色めきます。そしてクリーミーなサンダルウッドが溶け合い、コスメティックな側面よりも、素肌に絹のように柔らかな花を咲かせるアイリスの花の輝くオーラを解き放ってくれるのです。
ディプティックの「フィロシコス」と比較される香りです。
香水データ
香水名:オリス タトゥー
原名:Orris Tattoo 29
種類:オード・パルファム
ブランド:パルル モア ドゥ パルファム
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/15,400円、100ml/25,300円
販売代理店:ラトリエデパルファム
シングルノート:ヴァイオレット、イリス(イタリア産、モロッコ産)、アンバー