マイ アンソレンス
原名:My Insolence
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:クリストフ・レイノー
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/7,020円
ミレニアル世代のためのアンソレンス
2006年にゲランのクリエイティブ・ディレクターに就任したシルヴェーヌ・ ドゥラクルトがはじめてプロデュースした作品「アンソレンス」は、順調な売れ行きを示しました。そして、この「傲慢」という名の香りに、「My」をつけて「マイ アンソレンス」の名で、翌2007年に、続編が発表されることになりました。
クリストフ・レイノーにより調香されたこの香りは、2000年代初めに様々な老舗フレグランス・ブランドが、若者マーケットに迎合しようとした狂想曲を象徴するような香りです。
それはまさにLVMH=ビッグ・ブラザーからの絶対指令である、〝ミレニアル世代のためのゲラン〟の香りを忠実に作り上げた香りでした。
「分かりやすい言葉で話しましょう」という風に、ゲランはラズベリーの甘酸っぱさがシトラスと共にシェイカーに入ったようなカクテルシャワーからこの香りをスタートします。すぐにチェリーのようなアーモンド・ブロッサムが、「アンソレンス」よりもさらにフルーティーな香りに変えていきます。
トンカビーンとバニラによりパウダリーなスイートさを加えながら、ラズベリー・チェリーはジャスミンとヴァイオレット(スミレ)と優しく柔らかく溶け合います。香りはより若々しく爽やかです。
ドライダウンにおけるパチョリが優しく効いているゲルリナーデ・バニラが、ラズベリーと見事なハーモニーを奏でてくれます。少女が見せる大人の片鱗のような香りです。つまりは甘いが食べたくなるような甘さではなく、見守りたくなるような甘い香り。
三つの半球が重なり合う神秘的なボトルデザインはセルジュ・マンソーによるものです。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「マイ アンソレンス」を「バタースカッチ チェリー」と呼び、「100年ものあいだ店頭に並び続けている「ルール ブルー」を生んだブランドが、どうすればこうした流行におもねるような、いたたまれない香水を作り出せるのだろう?香りはチェリー・アーモンドの甘ったるいオリエンタル調。エルメスが、ヒールの平らなピカピカ光るビニール製の靴を売り出したみたいなありさま。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:マイ アンソレンス
原名:My Insolence
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:クリストフ・レイノー
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/7,020円
トップノート:ラズベリー、シトラス
ミドルノート:アーモンド・ブロッサム、ジャスミン
ラストノート:バニラ、トンカビーン、パチョリ