マイ ジュジュ
原名:My Ju-Ju
種類:オード・パルファム
ブランド:インダルト パリ
調香師:ナタリー・ファイツァー
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/35,200円

インダルト パリの13年ぶりの新作は、最愛の娘のための愛の香り

©Indult Paris

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2009年に「メゾン フランシス クルジャン」を創業する3年前にあたる2006年4月9日に、フランシス・クルジャンが、ジュリアン・マセリと共にインダルト パリを設立しました(2007年1月より香水販売は開始された)。ブランド名はラテン語の〝Indultum=恩恵〟に由来し、フランス国王またはローマ法王が高貴な個人に与える特権を意味します。
最初のコンセプトは、それぞれの香りがパリサンダーの木箱に納められ、999本限定で発売され、この購入者のみが永遠に同じ香りを注文できるという、まさに〝選ばれしもの〟のみが手に入る香水という位置づけでした。そして「マナカラ」「ティオタ」「イスバラヤ」の三つの香りが発売されました。
2009年にクルジャンは「メゾン フランシス クルジャン」を創業することになり、先に述べたインダルト パリのブランディングにも失敗し、終了する可能性が生まれた時、キム・チャールズがその精神を引き継ぎ、2013年にブランドは4種の香りで再開されました。
さらに2021年に、3年の時を費やし、ナタリー・ ファイツァー(エルメスの「オー デ メルヴェイユ」)による、バニラとコーヒーが匂い立つフロリエンタルの香り「マイ ジュジュ」を、13年ぶりの新作として発売しました。
キム・チャールズにとってインダルト パリは二人の息子が経営に関わる大切なファミリー・ビジネスです。そんなことから愛娘のジュスティーヌの幼少期のニックネームである『ジュジュ』を付けたこの香りを創造しました。さらにアフリカ大陸で広く信仰されている魔術の意味であることもこの香りのインスピレーションの源となっています。
暫くして廃盤となっていたのですが、この「マイ ジュジュ」が2025年10月のサロンドパルファンに併せ復活しました。
日々の暮らしに魔法のような香りを添えたいという思い。

©Indult Paris

ナタリー・ファイツァー
〝私のジュジュ=魔術〟。アフリカ大陸のジュジュ信仰から派生したのが、カリブ海地域(特にハイチ)におけるブードゥー教信仰であり、ゾンビを生み出すゾンビ・パウダーです。そのゾンビ・パウダーではありませんが、この香りには確かに〝永遠の力〟を感じさせる何かが存在します。
父から娘への〝永遠の愛〟の証として生み出したこの香りは、自分が死んでからも、その愛が娘にずっと伝わり続けることを望み生み出された香りです。
そんな日々の暮らしに魔法のような香りを添えたいという思いから生み出された「マイ ジュジュ」は、シトラスとスズランの明るく清らかな金管楽器の音色のような透明感のある甘さとピンクペッパーとカルダモンのコントラストからはじまります。
すぐに爽やかなジャスミンも加わり、焙煎されたスモーキーなコーヒーとトンカビーンが温かく注ぎ込まれてゆきます。ここでカルダモンとトンカビーンはひとまとめになりキャラメルのように調和してゆきます。
このフローラルとカルダモンコーヒーが織りなすミステリアスなバランスが「マイ ジュジュ」の魅力です。最後にゾンビパウダーならぬバニラパウダーが天空を舞い、ベチバーとシダーも合流し、全身に舞い落ちていくような至福の感覚に満たされます。
最初から最後まで幼少期の思い出を呼び覚ます不思議なアコードが隠し味として存在します。たとえばバービー人形やリカちゃん人形で遊んでいた女性にはプラスチックのニュアンスを与えてくれます。
香水データ
香水名:マイ ジュジュ
原名:My Ju-Ju
種類:オード・パルファム
ブランド:インダルト パリ
調香師:ナタリー・ファイツァー
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/35,200円

トップノート:タンジェリン、ベルガモット、ピンクペッパー
ミドルノート:スズラン、ヘディオン、ジャスミン、カルダモン
ラストノート:バニラ、ムスク、アンバー、トンカビーン、シダー、ベチバー、コーヒー


