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【キャロン】ミュゲ ド ボヌール(ミシェル・ モルセッティ)

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その他その他ブランド調香師香りの美学
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ミュゲ ド ボヌール

原名:Muguet du Bonheur
種類:オード・トワレ
ブランド:キャロン
調香師:ミシェル・ モルセッティ
発表年:1952年
対象性別:女性
価格:不明

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幸福の白いスズランを胸に咲かせましょう

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1904年に創業されたキャロンが、低迷期に差し掛かりはじめた第二次世界大戦後、メゾンを立て直したフェリシエ・ヴァンピールは、1939年から62年にかけてのキャロンの最高責任者でした。

そんな彼女が、5月1日の「スズランの日」のための香りが欲しいと切望したことから、1952年に、僅か一ヶ月足らずで作り上げられたのが「ミュゲ ド ボヌール」でした。

「ミュゲ ド ボヌール」とは、フランス語で〝幸福のスズラン〟の意味です。調香師のミシェル・モルセッティは、キャロンの創業者であり、調香師だったエルネスト・ダルトロフの愛弟子です。

ディオリシモ」をはじめとするほとんどのスズランの香りで使用されている合成香料ヒドロキシシトロネラールを使用せず、天然のライラックとヘリオトロープを中心に天然香料のみでスズランの香りを作り上げています。

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肌に柔らかくクリーミーに溶け込む甘いスズラン

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幸福の白いスズラン〟という名のこの香りは、ベルガモットとビターオレンジに弾け出されるスズランの幸せに満ちた微笑みからはじまります。

すぐに甘やかなライラックとジャスミンが、活き活きとしたスズランの中に溶け込んでゆき一体化してゆきます。そして、明るく複雑な柔らかさでロマンティックな調べを奏でるスズランの香りへと移行していきます。

この辺りからほんのりとソーピーさが出て、肌の上でスズランは滑らかに煌きます。そして、スズランはパートナーをジャスミンからヘリオトロープへと取り換えてゆきます。バニラのようなほのかな甘さとクリーミーなサンダルウッドが、スズランに絡み合いソーピーさを増した、心安らぐ余韻で包み込んでくれます。

ミュゲ ド ボンヌール 2021年版は、全く別物の香りと考えた方が良いでしょう。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ミュゲ ド ボヌール」を「グリーン ミュゲ」と呼び、「私の知っているかつてのミュゲ ド ボヌールはよい香りだが、スズランの品質に悩まされていた。名香「ディオリシモ」のスズランのように巧みな処理が施されていれば、家庭用品のようにはならなかったはずだ。今ではグリーンが強くなり、「バンベール」の現代版に近い。あまり好ましくない。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ミュゲ ド ボヌール
原名:Muguet du Bonheur
種類:オード・トワレ
ブランド:キャロン
調香師:ミシェル・ モルセッティ
発表年:1952年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:ネロリ、ベルガモット、スズラン、オレンジ・ブロッサム
ミドルノート:ジャスミン、ローズ・チンキ、ライラック、マグノリア、スズラン
ラストノート:ムスク、サンダルウッド、ヘリオトロープ

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