ロストチェリー
原名:Lost Cherry
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:ルイーズ・ターナー
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/17,600円、30ml/36,300円、50ml/53,350円
公式ホームページ:トム・フォード
処女喪失(=ロストチェリー)の香り
どこまでも官能的で誘惑的。一見キャンディみたいに陽気にきらめいているようだが、その実(じつ)は蜜をしたたらせる 甘い甘い果肉…といった極端な二面性。ロスト チェリーは、そんなあくなき欲望にまみれた禁断の果実を探して回る、芳醇なフルボディの香りの旅なんだ。
トム・フォード
2018年11月に発売されたトム・フォードのプライベート ブレンド コレクションの新作が、19年2月1日に日本上陸を果たしました。その名も「ロストチェリー」です。
ルイーズ・ターナーにより調香されたこの香りは、世界各地で、発売と同時に売り切れるほどの大ヒット(もしくはこれもTF戦略なのかもしれない)となりました。
「人生で最高の赤色に染まりたい…」そんな女性の願望を叶える為に、トム・フォードはこの香りやリップを生み出したのでした。
「ああ・・・こんなのはじめて…」と、前作「ファッキン ファビュラス」によって開かれた、究極の愛欲の世界へと足を踏み入れるのです。この香りのネーミングの意味は「処女喪失=Lost Cherry」です。
それは少女が大人になることへの怖れと憧れ。その複雑な感情が、トンカビーンが漂わせる大人の世界の誘いにより、憧れがはるかに上回り、若さが果実のように弾ける喪失の瞬間を香りにしたものです。
ジューシーなあなたの中のチェリーを摘んでください。その瞬間、チェリーは握りしめられ、果汁を迸らせ、温かみだけを残し、より深い情欲を掻き立て、大人になるということがどういうことかを全身で知るのです。
また大人の女性にとっては、自身の熟れた果汁が吸い取られていく香りと言えます。つまりは軽い眩暈を憶えさせる恍惚の香り。またはその背徳の濃い液体に浸りたくなる香りです。
全く異質な組み合わせともいえるブラックチェリーとビターアーモンドの遭遇とは、果たして何を意味するのでしょうか(それは女と男の遭遇?)。
「人生で最高の赤色に染まりたい…」
実はトム・フォードとの仕事ほど、自由な表現が許される機会はほとんどありません。「ロスト チェリー」はトム・フォードがはじめて受け入れたフルーティな香りという点で、ブランドにとっての変化であり、征服すべき新しい領域でした。
ルイーズ・ターナー
赤く染まるにつれて、心は黒く塗られ、怖ろしい生き物に全身が乗っ取られたような気分になる。そんな不思議な感覚を以下の三種類のチェリーのブレンドで表現しています。
- 〝チェリー・ヒーリング〟のようなチェリー・リキュール
- ブラックチェリー
- サワーチェリーをシロップで漬けたグリオットシロップ
とろけてそそる三種類のチェリーは、甘ったるさではなく、奥行きを与えてゆきます。それは血の通った感情のようなものとも言えます。
そんな煮詰められたチェリーの窯にトルコ産ローズとジャスミン・サンバックも投入され、チェリーの甘酸っぱさとフレッシュで華やかなフローラルのコントラストが生み出されてゆくのです。
やがて、まるで失うことによって得た感覚に夢中になるうちに、最後に、ペルーバルサムとトンカビーンがツイストのように快楽の記憶を蘇らせ、「もう一度」おねだりしたくなる気持ちを高めてくれるのです。
まさに人間の生き血をボトリングしたようなカラーが示すように「処女の生き血にチェリーとローズとアーモンドをブレンドしたような魔性の香り」です。
一日に10回以上鏡を見る女性にとっては、〝もうひとつの鏡〟として持っておくべき香り。〝肉体を傷つけずに、心地良い喪失感を与えてくれる〟歴史に残る名香です。
香水データ
香水名:ロストチェリー
原名:Lost Cherry
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:ルイーズ・ターナー
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/17,600円、30ml/36,300円、50ml/53,350円
公式ホームページ:トム・フォード
トップノート:サワーチェリー、酒、ビター・アーモンド
ミドルノート:サワーチェリー、トルコ産ローズ、ジャスミン・サンバック、プラム
ラストノート:ペルー・バルサム、トンカビーン、サンダルウッド、ベチバー、シダー、ベンゾイン、シナモン、クローブ、パチョリ、バニラ