ラガーフェルド ファム
原名:Lagerfeld Femme
種類:オード・パルファム
ブランド:カール・ラガーフェルド
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2000年(日本未販売)
対象性別:女性
価格:未発売
〝ルバーブの魔術師〟がはじめてルバーブを手にした瞬間。
〝ファッション界の帝王〟カール・ラガーフェルド(1933-2019)が唯一成し遂げられなかった偉業。それは歴史に残るフレグランスを残すことでした。そんな彼が、2000年に自身のブランドから生み出した香りが「ラガーフェルド ファム」でした。
フローラル・アルデヒドの香りは、クリスティーヌ・ナジェルにより調香されました。ラバー製の黒いストッパーがついたボトル・デザインは、女性のボディをかたどったものであり、三種類(量により違う)作られました。
ジゼル・ブンチェン登場前夜までの〝奇跡のファッション・モデル〟フランキー・ライダー(1975-)が上昇気流に乗っていた2000年に、キャンペーン・モデルとして起用したセンセーショナルな広告戦略は、大した話題になりませんでした。
ジョー・マローンとエルメスへの道
そのネオンカラーのボトルデザインがイメージさせるように、2000年を迎える若い女性のために作られたこの香りは、まだグリーンなマンダリンが弾けるようにしてはじまります。官能性よりも、明るく清潔なはじまりです。
すぐに酸味の効いたウォータリーなルバーブが注ぎ込まれ、香り全体はより生き生きとした生命力に満ち溢れてゆきます。
やがて、レモンのようなエレミが、シダーとムスクの風に掻き混ぜられ、レモネードのような90年代のクリーンな香りを広がらせてゆく中、クリーミーな百合とグリーンなスイセンが、ルバーブと結びつき、甘くて苦くて酸っぱい独特な余韻を残してくれます。
この香りの歴史的な意義は、クリスティーヌが、ルバーブという類まれなる香料を使用した最初の香りであり、後のクリスティーヌの傑作、ジョー・マローン・ロンドンの「イングリッシュ ペアー&フリージア コロン」(2010)とエルメスの「オー ドゥ ルバーブ エカルラット」(2016)への道を示したところにあります。
香水データ
香水名:ラガーフェルド ファム
原名:Lagerfeld Femme
種類:オード・パルファム
ブランド:カール・ラガーフェルド
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2000年(日本未販売)
対象性別:女性
価格:未発売
トップノート:グリーン・マンダリン、ルバーブ、エレミ
ミドルノート:百合、水仙
ラストノート:ムスク、チェリー、シダー