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イドル (オリヴィア・ジャコベッティ)

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©LUBIN
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香水名:イドル Idole オード・トワレ
ブランド:ルバン
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2005年
対象性別:男性
価格:日本未発売

©LUBIN

★★★★☆ サフラン・スウェード

オリヴィア・ジャコベッティが作ったオリエンタルは気むずかしく、官能的な部分をまるで税金を払うように扱い、「フェミニテ ドゥ ボワ」の強い影響を受けている。その透明なローズシダーにはバイオレットの甘さと香料ダマスコンが使われ、バニラなしで新しいタイプのオリエンタルになった。ここでは彼女がラルチザン・パフュームのために作った「サフラン トルブラン」と同じく、インドの砂漠というアイデアを追求し、その繊細な菓子のようなローズウォーター、サフラン、カルダモン、ミルクはほとんどクレームブリュレのよう。でも単純で元気のいいサフラン トルブランとは違って、こちらはたくさん使っても強過ぎはしない。それは中心にある「タンブクトゥ」を思わせるふしぎで特徴の薄いドライウッドのせいかしら。おかげで間近で嗅いでも、香りはとらえどころがなく彼方へ漂い去ってしまいそう。美しく繊細な技が、ここ何年か見たこともないくらい印象的な瓶に詰められている。― タニア・サンチェス

『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

トップノート:ラム、サフラン、ビターオレンジ、キャラウェイ
ミドルノート:エボニー、サトウキビ、ヤシの木
ラストノート:レザー、レッド・サンダルウッド

かつてゲランに並ぶ、フランスの老舗フレグランス・メゾンだったルバン(1798年に創業され、ナポレオン・ボナパルトの最初の妻ジョゼフィーヌ皇后に愛された)から466つ目のフレグランスとして2005年に発売されました。「イドル」とはフランス語で「アイドル=偶像」を意味します。日本には上陸しなかったあらゆる意味における幻の名香です。

古代の東アフリカのマダガスカルとザンジバルから、インドネシアのマカッサルへの海上のスパイスルートを航海する遊牧民から想起された香りです。オリヴィア・ジャコベッティが、意図的に自身の調香スタイルを混沌の世界に委ねた神秘性に満ちた香りです。

ラムとスパイスの濃厚なブレンドからはじまり、ラムのアルコールが落ち着いた後、ビターオレンジとサフランが現れ、ウッディーとレザーに包まれ、スモーキーな温かい官能性に香り全体が満たされます。

古代の木造の帆船フェラッカの帆からインスパイアされた、ドゴンのマスクのようなボトル・デザインは、セルジュ ・マンソーによるものです。包装は、セルジュ・ルタンスによるデザインです。