グレースのためにはじめてデザインしたヘレン・ローズのドレス
グレース・ケリー・ルック4 イブニング・ドレス
- パープルカクテルドレス、スウィートハート・ネックライン、サーキュラースカート、膝まで
- レースの同色のボレロ
- シルバーハイヒールサンダル
グレース・ケリーは久しくスクリーンでは見られなかったような、非常に美しく、貴族的な俳優である。彼女の特筆すべき資質は、名門の出だが、尊大ではなく、教養があっても堅苦しくない。そしてきわめて感情が豊かだが、それをあまり出し過ぎていないところにある。
ニューズウィーク(1953年公開当時の記事)
グレース・ケリーがグレース王妃になった日。それは1956年4月19日です。そして、この日のウエディング・ドレスをデザインしたのがMGMの衣裳デザイナー・ヘレン・ローズでした。『モガンボ』はグレースの衣裳をはじめて担当した作品でした。そして、以後、『白鳥』(1956)、『上流社会』(1956)の衣裳デザインを担当することになります。
ヘレン・ローズのイブニング・ドレスを着るグレースは、まさにイングリッド・バーグマン以来のクール・ビューティを体現する、柔かさの中に緊張感を潜めており、この二面性が曖昧さを生んでいました。まさに後のヒッチコック監督の演出による「昼は淑女、夜は娼婦」である英国婦人のイメージのはじまりでした。
グレース・ケリーの魅力とは?
グレース・ケリー・ルック5 ブラウス×スカート
- ピスヘルメット
- 白のブラウス、ロールアップ
- 赤のネッカチーフ
- キャメルの細ベルト
- ベージュのロングスカート
- キャメルのレザーシューズ
グレース・ケリーという女優は決して器用な女優ではありません。彼女の表現力は、大まかに4つ程度です。しかし、その〝気品〟〝秘めた情熱〟〝よそよそしさ〟〝屈託のない笑顔〟という、4つの表現による化学反応が生み出すものを知り尽くしていました。