オ パフメ オーテブラン
原名:Eau Parfumee au The Blanc
種類:オーデコロン
ブランド:ブルガリ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2003年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/14,520円
販売代理店ホームページ:KAWABE
『オ パフメ』第二弾は、ホワイト・ティーの香り
ブルガリがはじめて発売した香水は、1992年に日本の緑茶に注目し、ジャン=クロード・エレナが調香したオ パフメ オーテヴェールでした。
その11年後の2003年に、「お茶」に特化したブルガリの香水シリーズ『オ パフメ』の第二弾として発売されたのが「オ パフメ オーテブラン」でした。中国の皇帝によって不老不死の秘薬として使用されてきた白茶(ホワイト・ティー)をイメージした香りとして、ジャック・キャヴァリエにより調香されました。
白茶とは、主に中国の福建省や湖南省で生産されている六大茶類のひとつである弱発酵茶です。通常の茶葉が持つ、苦味や渋みがほとんどなく、上品で後味が良く、甘く飲みやすいお茶です。特に白毫銀針が有名です。
「不炒不揉」が製造工程における特徴であり、通常の茶葉に対して行う二つの工程「炒り」(酸化酵素を失活させる殺青)と「揉み」(揉捻)を行わないので、茶葉を摘み取った後のより自然に近いまま保存することが出来るのです。
アンブレットシードとキャヴァリエの〝紳士同盟〟のはじまり
紅茶の聖地・ヒマラヤ山麓のホワイト・ティーを連想させるこの香りは、ベルガモットとビター・オレンジにティーと(アンブレットシードを中心とした)ムスクが円やかに注ぎ込まれ、柔らかくフレッシュな甘さにふんわり包み込まれるようにしてはじまります。
そこにほんのり混ざり合うアルテミシアの清涼感のある苦味がアクセントになります。それはまるで器にお湯が注ぎ込まれ、ゆっくりと白茶の茶葉が浮き上がるような、そんなとてもクリアーな広がりを感じさせます。
そして、カルダモンを中心にホワイトペッパー、コリアンダーが繊細にホワイトティーに奥行きを与えていくようにほのかなスパイシーさを付け加えてゆきます。やがて、ローズヒップティーとジャスミンティーの要素が三位一体となり、温かみのあるシアーな輝きに満たされてゆくのです。
シトラスとハーブとスパイスとフローラルの要素を、注ぎ込まれたティーでひとまとめにして、エレガントなスキン・パルファムを生み出すという、宝石の輝きが、その人の持つさまざまな魅力をひとまとめにするような効果を、素肌の上に生み出してくれる香りです。
この香りから、ルイ・ヴィトンの香りにおいてとても重要な役割を果たしているアンブレットシードとジャック・キャヴァリエの素敵な〝紳士同盟〟が本格的にはじまったのでした。
〝アンブレットシード〟とは、ニオイトロロアオイ(Abelmoschus moschatus、ハイビスカスの一種、花は一年に一日しか咲かない)から得られる種子=アンブレットシードから二酸化炭素抽出したアンブレットアブソリュートという植物性ムスクです。
ちなみにアンブレットアブソリュートは、ワインやコニャックを連想させるフレッシュでフルーティーな洋ナシの芳醇な甘い香りが特徴です。でありながら、単純ではなく、多面的で複雑な香りを持ち、プラムのようなフルーティーさ、ローズのようなフローラル、セージのようなアロマティック、アイリスのようなパウダリー、タバコ、そしてアニマリックなレザーの側面を持ちます。
ボトル・デザインは、ザ・ディファレント・カンパニーにおけるジャン=クロード・エレナの盟友ティエリー・ドゥ・バシュマコフによるものです。このシャンプー、コンディショナー、ボディミルクは、高級ホテルの鉄板アメニティであり、シャングリラ東京のオリジナル・アメニティに匹敵する優れものです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「オ パフメ オーテブラン」を「アルデヒド調ティー」と呼び、「ジャック・キャバリエはジャン=クロード・エレナのオリジナル作品「テヴェール」のアイディアに手を加え、いくらか輝きを足しつつ透明度を保とうとした。独特の白くかすむスタイルは悪くはないが、いささか黒板の上のチョークのようだ。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:オ パフメ オーテブラン
原名:Eau Parfumee au The Blanc
種類:オーデコロン
ブランド:ブルガリ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2003年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/14,520円
販売代理店ホームページ:KAWABE
トップノート:ティー、アルテミシア、ベルガモット、ビター・オレンジ、オレンジ・ブロッサム
ミドルノート:ホワイトペッパー、カルダモン、コリアンダー
ラストノート:アンバー、ムスク、ローズ、ジャスミン、ウッディーノート