アルシミー
原名：Alchimie
種類：オード・パルファム
ブランド：ロシャス
調香師：ジャック・キャヴァリエ
発表年：1998年（現在廃盤）
対象性別：女性
価格：30ml／5,300円、50ml／7,500円 、100ml／10,500円
秘められた欲望はカボチャの馬車と共にやってくる
©ROCHAS
「アルシミー」とは「錬金術」を意味するフランス語です。錬金術とは古代エジプトに端を発する、あらゆるものの究極の完成体を練成する魔法のようなものであり、香りを生み出す蒸留器に至っては、既に紀元2世紀ごろの錬金術書『クレオパトラの金製造法』にて紹介されていました。
そんな錬金術を香りの名としたこの香りのイメージは、全ての感覚に催眠術をかけ、潜在的欲望を呼び覚ますというすごいものです。フロリエンタルの傑作であるこの香りは、ジャック・キャヴァリエにより調香されました。
一言で言うと、「サロン・ド・テ・アンジェリーナ」のモンブラン・クリームブリュレを連想させる香りです。
まず最初に、ピーチ、ブラックカラント、マンダリンオレンジのジューシーなフルーツカクテルにココナッツミルクがブレンドされたようななんとも言えない甘さからこの香りははじまります。
すぐにキュウリとヒヤシンスのウォータリー・グリーンな香りが甘さの外枠を包み込んでいきます。まるで香り全体にソフトフォーカスをかけたような懐かしい温かさを与えてくれます。
甘さとグリーンの絶妙なハーモニーに満ちたオープニングを経て、ジャスミン、ヘリオトロープ、スズラン、ローズなどのフローラルに蜂蜜が絡み合う甘くも気品のあるフローラルの香りへと移行していきます。
やがて、サンダルウッド、アンバー、トンカビーン、ムスク、バニラ、キャラメル、リコリスという、クレームブリュレの焦がしたキャラメルとモンブランが組み合わさったような（ボトルデザインは、カボチャではなくマロンなの？）魅惑のドライダウンへと導いてくれます。
何よりも絶妙なのは、そんな甘さを包み込むスモーキーさにあります。
カボチャの馬車のようなボトルデザイン（どこか「シャマード」を連想させる）は、多くの名香のボトルデザインを手がけたフランス人彫刻家セルジュ・マンソーによるものです。
香水データ
香水名：アルシミー
原名：Alchimie
種類：オード・パルファム
ブランド：ロシャス
調香師：ジャック・キャヴァリエ
発表年：1998年（現在廃盤）
対象性別：女性
価格：30ml／5,300円、50ml／7,500円 、100ml／10,500円
トップノート：ブラックカラント、プラム、マンダリンオレンジ、カッシア、ライラック、ピーチ、キュウリ、ヒヤシンス、グレープフルーツ、洋ナシ、ベルガモット
ミドルノート：ニセアカシア、ココナッツ、ウィステリア、ジャスミン、ヘリオトロープ、スズラン、ローズ
ラストノート：サンダルウッド、アンバー、トンカビーン、ムスク、バニラ、キャラメル、リコリス