パチュリ コージャ
原名:Pachuli Kozha
種類:エキストレド パルファム
ブランド:ニシャネ|NISHANE
調香師:ジョージ・リー(ホルヘ・リー)
発表年:2015年
対象性別:ユニセックス
価格:不明
怪僧ラスプーチンの〝香りの黒魔術〟
2012年にトルコ・イスタンブールで創業したフレグランス・ブランドのニシャネより、2015年に発売された「パチュリ コージャ」は、レザーの香りとして、ジョージ・リーにより調香されました。
ロシアのモスクワをイメージして生み出されたこの香りの「コージャ」とは、ロシア語で「レザー、肌」の意味です。つまりこの香りの名は「パチョリ・レザー」ということになります。
恐らくこの香りのモスクワのイメージは、ロシア帝国=ロマノフ王朝を崩壊へと導いた怪僧ラスプーチン(1869-1916)から導かれたイメージだと考えられます。
そんなこの香りは、新緑のヒヤシンスと、(リンゴのような)フルーティーなカモミールの香りに、(熟したバナナのような)クリーミーなイランイランが絡みつく濃厚なトップノートからはじまります。そこに甘くて苦いハーバルなアルテミシアが、インセンスの風に乗ってやってきます。
やがて、アーシィーなパチョリがペッパーによりコクのあるスパイシーさを見せながら、レザーと絡み合い、その中から、この香りの最大の特徴とも言えるハニーが加えられ、チョコレートのようなコクと苦味を与えていきます。
パチョリとレザーの少し動物的な鼓動の中に、インセンスが見事に溶け込み、三様それぞれのスモーキーさが一点に向かって肌の上に浸透していくという〝ラスプーチンの黒魔術〟に絡めとられたような恍惚感と敗北感を与えてくれる香りです。
それはまさにこの有名な絵画の女性のような心境です。香りが生み出すことの出来る素晴らしい側面。それは、香りの中で味わう敗北感はクセになるということです。
香水データ
香水名:パチュリ コージャ
原名:Pachuli Kozha
種類:エキストレド パルファム
ブランド:ニシャネ|NISHANE
調香師:ジョージ・リー(ホルヘ・リー)
発表年:2015年
対象性別:ユニセックス
価格:不明
トップノート:カモミール、アルテミシア、ヒヤシンス、イランイラン
ミドルノート:パチョリ、ブラックペッパー
ラストノート:ハニー、インセンス、レザー