ベルガモット
原名:Bergamote
種類:オード・トワレ
ブランド:ザ・ディファレント・カンパニー
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2003年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/20,900円、100ml/28,600円
販売代理店ホームページ:ルシアージュ京都
神聖なるベルガモット
世紀末を迎え一人の男が香水業界の救世主伝説を生み出そうとしていました。調香師という存在に光を当てた男、フレデリック・マルの登場です。そして、彼のアイデアを聞き、いの一番に理解を示したのがジャン=クロード・エレナでした。
かくして2000年に、エレナは、マルの最初の香りのうちのひとつ「アンジェリーク スーラ プリュイ」を創造したのでした。
このマルとの出会いが、エレナに与えた影響は絶大でした。それが従兄弟のティエリー・ドゥ・バシュマコフと共に、ハイ・コンテンポラリー・パフューマリー『ザ・ディファレント・カンパニー』を2000年に創立する原動力になりました。
ティエリーは、ブルガリの「オ パフメ オーテヴェール」のボトル・デザインも担当したプロダクト・デザイナーでした。「最高品質の天然香料を駆使して、他にはないユニークでエレガントな香水を創ること」を目的に生み出されたこのニッチ・ブランドの誕生によって、エレナははじめて、自分が本当に生み出したい香りを創造することが出来るようになるのでした。
『ザ・ディファレント・カンパニー』とは、エレナの今までの香りの創造とはまったく違う(ディファレント)環境で生み出される〝芸術として身にまとう香り=21世紀の新しい香水のカタチ〟を世に示した集大成の場でもありました。そして、ブランド誕生と同時に、最初の三作品が発表されました。
そして、エルメスの専属調香師になる寸前の2003年に発表されたエレナの第四弾の香りが「ベルガモット」でした(同ブランドで最後に調香した香りとなりました)。元々は「ディバイン・ベルガモット(神聖なベルガモット)」の名で発売されていました。
まるでアールグレイのティーカップの中を泳いでるような気分にしてくれる、天然のベルガモットエッセンスを70%以上も使用しているシトラス・アロマティックの香りです。
アールグレイとレモンティーのティーカップの狭間を泳ぐ香り
煌くような酸味を放つルバーブが、新緑の光を降り注がせる中、ベルガモットとジンジャーが透き通るような苦味と甘みとピリっとを上品に弾け合わせながら、風薫らせるようにしてこの香りははじまります。
うっとりするようなグリーンノートが肌の上を滑るように流れ、自然の高揚感をベルガモットに与えてゆきます。やがて、オレンジブロッサムがジンジャーと溶け合い、上質なアールグレイとレモンティーの狭間のような繊細さで包み込んでくれます。
元々〝神聖な〟という形容詞が付いていただけあり、ただの高級紅茶の香りではなく、ルバーブがアールグレイを清らかなる鐘の音で包み込んでくれるようです。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ベルガモットは香水を作るにあたって最も大切なオイルのひとつで、強い天然樹脂様をもつ柑橘類の皮の香りがトップノートにあり、お茶に使われればアールグレイの香りになる。」
「ジャン=クロード・エレナの作ったこのベルガモットは、明るいけれどすぐに消えてしまうこの素材の香りを、ジンジャーエッセンスで見られるような広がりのある眩しいジンジャーとシトラスのトップノートから、オレンジブロッサムのミドルノート、そしてすがすがしく軽いローズ様のムスクへと滑らかにつなげていこうとしている。」
「その試みは上手くいっていて、冬の朝のようにさっぱりとしているものの、正直にいえばほとんど存在感がない。個人的スペースをかなり侵害しない限り、つけているのがわからないかも。いい換えれば、香水が好きではない人たちにぴったりの目立たない清潔なシトラス系で、その中ではかなりいい。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ベルガモット
原名:Bergamote
種類:オード・トワレ
ブランド:ザ・ディファレント・カンパニー
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2003年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/20,900円、100ml/28,600円
販売代理店ホームページ:ルシアージュ京都
トップノート:ベルガモット、ジンジャー
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、グリーンリーフ
ラストノート:ルバーブ、ムスク