バーバリー ロンドン
原名:London for Women
種類:オード・パルファム
ブランド:バーバリー
調香師:ドミニク・ロピオン、ジャン=マルク・シャイラン
発表年:2006年
対象性別:女性
価格:30ml/6,820円、50ml/9,350円
絶頂期のレイチェル・ワイズをミューズに迎えた香り
1856年にトーマス・バーバリーにより、大英帝国で創立されたバーバリーが、(1989年にユニリーバに買収される)ベスコ・フレグランス社と提携し、最初のフレグランスを発売したのは1981年のことでした。しかし、この頃から1990年代にかけて、バーバリーのブランド力は落ちてゆき、存亡の危機に立たされていました。
そのような状況の流れの中、2001年に、バーバリー帝国復興の使命を負い、クリエイティブ・ディレクターに就任したのが若干29歳のクリストファー・ベイリー(1971-)でした。彼は、1994年にダナ・キャランにより見い出され、1996年にトム・フォード王朝下のグッチでレディース部門のシニアデザイナーに抜擢され頭角を現した人でした。
1990年代以降、バーバリーは、インターパルファムとライセンス契約し香水を作っていました。ベイリーも積極的に協力し、香水の開発に取り組んでいきました。
そしてバーバリーから、世界中の人々に、古くて現代的な都市ロンドンの鼓動を感じて欲しいという、ベイリーの思いを込めて、2006年に発売されたのが「バーバリー ロンドン」でした。ドミニク・ロピオンとジャン=マルク・シャイランにより調香されました。
フレグランスの名前に、大都市の名前を付けるということは、ファッション・ブランドとしてかなり思い切ったことなのですが、バーバリーとインターパルファムがこの香りで勝負に出たことは間違いありません。それほど、広告戦略と調香師の選択含め、かなり本気で生み出された香りでした。
広告キャンペーン・モデルとして、『ナイロビの蜂』(2005)でアカデミー賞助演女優賞を獲得したばかりの英国の女優レイチェル・ワイズ(1970-、夫はダニエル・クレイグ)が起用されました。
洗練された英国女性を生み出すジャスミン×ハニーサックルのカクテル
スプレーを一吹きすると、ある春の晴れた日に、ロンドンの英国庭園を訪れる情景が思い浮かぶことでしょう。上品で清らかなイングリッシュガーデン・ローズと流れる小川のようなハニーサックルの甘やかさに、ジューシーなタンジェリンが注ぎ込まれていく、(高級石鹸のような)ドラマティックな華やかさからこの香りははじまります。
すぐにクリーンなムスクの風に乗って、フレッシュなほんのりシャープなジャスミンが加わり、ハニーサックルと魅惑のハーモニーを素肌の上に奏でてゆきます。そして、ティアレフラワー、ピオニーといった花々がさらに甘く明るく幸せな気分で包み込んでゆきます。
落ち着きを見せるタンジェリンを、クリーミーに蘇らせていくようにクレメンタインが存在を増す中、パチョリが、タンジェリンとジャスミン×ハニーサックルのカクテルが甘くなり過ぎないように、澄み切った素直な顔立ちを生み出してゆきます。
やがてクリーミーなサンダルウッドが、エレガントでパウダリーなジャスミン×ハニーサックルの温かく熟した甘い余韻を残してくれます。
春夏には素肌に、秋冬にはトレンチコートにつけると、一年中、英国庭園の穏やかな優雅さの中に身を置くことが出来るように作られています。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「バーバリー ロンドン」を「不快なフローラル」と呼び、「おぞましくも、トレードマークである悪趣味な格子柄の布切れが、ボトルを包んでいる。ショッピングモールに入り浸るタイプがつけそう。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:バーバリー ロンドン
原名:London for Women
種類:オード・パルファム
ブランド:バーバリー
調香師:ドミニク・ロピオン、ジャン=マルク・シャイラン
発表年:2006年
対象性別:女性
価格:30ml/6,820円、50ml/9,350円
トップノート:ハニーサックル、タンジェリン、イングリッシュガーデン・ローズ
ミドルノート:ジャスミン、ティアラフラワー、ピオニー、クレメンタイン
ラストノート:ムスク、サンダルウッド、パチョリ