4代目ボンド・ガールこそが、元祖ヴィクシーエンジェル。
身長172cm。僅か16歳でミス・ワールドNo.2(役柄はスペクターNo.2ラルゴの愛人)に選ばれ、その翌年、23歳も年が離れた映画監督ピエール・ガスパール=ユイ(代表作『恋ひとすじに』)と結婚した典型的フランス女・クローディーヌ・オージェ(1941-2019)。
その八頭身のボディラインは言うまでもなく、ルックスも極めて現代的であり、どこか中性的な雰囲気もあり、とてつもないほどの脚線美を持つ女性です。
彼女は外見だけでなく、フランス国立高等演劇学校で訓練された女優でした。後にボンドガールに選ばれたキャロル・ブーケも、そして、伝説の女優ジャンヌ・モローもここの卒業生です。しかし、現実的にはクローディーヌのボンドガールとしての評価は、腰骨より下のビキニを着て、水中銃を構える〝理想のボンド・ガール〟No.2くらいの評価でした。
そんな今まで、ただ男性の欲望を満たすものに過ぎない添え物と考えられていたボンドガールが、21世紀の現代においては、ヴィクシーエンジェル達の元祖として、再評価を高めているのです。美しい下着を身に着けた美しい女性たちが注目されるように、一流の男性の隣にビキニで立つことが許されたボンドガール達も今では女性にとっての永遠の憧れなのです。
そんなボンドガールの中、特にクローディーヌ・オージェの評価は高いです。なぜなら彼女だけがボンドムービーの中で、ファッション・ショーのように多くの水着に身を包み、水着にワンポイント・アイテム(水中銃も含め)という60年代において画期的なファッション・センスを提示した女優だったからです。
1960年代の水着の数々。そして、バハマのナッソー。
様々な水着を着るクローディーヌ・オージェ。男性には露出した部分だけが目にいき、女性には、60年代において多くの人々が目をそむけるが布地の面積にしか考えが至らなかったアイテム。
そんな当時としてはキワどいビキニやワンピース水着が、21世紀において余裕を持って見られるようになりました。
そして、物語の中で初登場する時の衣装であるワンピース水着をはじめとして、異常なまでにデザイン性の高い数々の水着をクローディーヌは着ていたのだと驚かされるのです。
ドミノ・ルック1
ブラック・ワンピース水着
- 黒のワンショルダーワンピース水着、腰と胸がメッシュ生地で一部透けている
- 白のオーガンジーのヘアバンド
- 白のオーガンジーのノースリーブシャツ、オフネック、左肩に黒リボン、そでに黒のパイピング、フロントスリット
- 白のオープン・トゥ・ローヒールサンダル
作品データ
作品名:007/サンダーボール作戦 Thunderball(1965)
監督:テレンス・ヤング
衣装:ジョン・ブレイディ
出演者:ショーン・コネリー/クローディーヌ・オージェ/アドルフォ・チェリ/ルチアナ・パルッツィ/マルティーヌ・ベズウィック
- 【007/サンダーボール作戦】最初から最後まで空飛ぶジェームズ・ボンド
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.1|空を飛ぶショーン・コネリー
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.2|ショーン・コネリーとケン・アダム
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.3|ショーン・コネリーとダイビングウェットスーツ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.4|ショーン・コネリーとラグジュアリー・リゾート
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.5|クローディーヌ・オージェという絶世の美女
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.6|クローディーヌ・オージェ=水中銃を持つ女
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.7|クローディーヌ・オージェとウェットスーツ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.8|元祖・峰不二子 ルチアナ・パルッツィ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.9|ルチアナ・パルッツィとレーシングスーツ