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トム・フォード

【トム フォード】ベルベット ガーデニア(デビッド・アペル)

トム・フォード
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ベルベット ガーデニア

原名:Velvet Gardenia
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:デビッド・アペル
発表年:2007年3月
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/26,250円

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ブラックジャックが生み出したガーデニアの香り

『マイラ』ラクエル・ウェルチ様。

2007年にトム・フォードが発表した新たなるフレグランス・ライン「プライベート ブレンド コレクション」。それは一挙に12種類の香水を発売するという画期的な試みでした。そのうちのひとつである「ベルベット ガーデニア」は、デビッド・アペルにより調香されました。

それはトム・フォード自身が好んで着るベルベットのジャケットの襟につけていたガーデニアの花からインスパイアされた香りです。

オレンジのほど良い甘さが加わったガーデニアの香りが、グリーンなスズランによりフレッシュさを際立たせるオープニングからこの香りははじまります。しかし、このガーデニアには、最初から少し不穏な空気が漂っています。

その理由は、奥に潜むインセンスとラブダナムによる樹脂の香りのためです。それはまるで絶世の美女がトランスセクシャルだったような、女性が持ち得ない男性の要素を持っていたからこそ、女性を超える女性らしさを手にしているような圧倒的なフェミニンさがこの香りの中には存在します。

つまりこの香りは、ガーデニアの魅力をより突出させた〝絶世のガーデニア〟の香りなのです。そのために通常ガーデニアの香りではブレンドされないマッシュルームノート(別名ブルーチーズノート)とインドールが〝美容整形外科医=ブラックジャック〟のような役割を果たしています。

よりその魅力を際立たせるためにシャワーを浴びたばかりのクリーンなガーデニアは、全身にクリームを塗り、下着を装着し、ドレスを身にまとい、メイクアップを施し、髪型を整え、ピンヒールに足を通します。さぁ、トム・フォード流〝絶世の美女〟の完成です。

つまりは、ジャスミン、ローズ、チューベローズ、プラム、蜂蜜、ビーズワックスがガーデニアにスタイリング、メイクアップ、ヘアスタイリングを施し、満開に咲き誇らせ、ベースのインセンスとラブダナムがアニマリックノートとブレンドされ暗闇に潜む野獣のオーラ(光)を解き放つのです。

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女性以上に美しい「第三の性」のための香り


〝誇張されたガーデニアの美しさ〟を身に纏える女性は非常に少なく、全身整形を施し美女になったヘルタースケルターのような美女ではなく、恐らく日本だと北新地、銀座、新宿、六本木、名古屋の〝ショーダンサーのトランスジェンダー〟のみが付けこなせる香りなのでしょう。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ベルベット ガーデニア」を「本物のガーデニア」と呼び、「そしてはじめてベルベット ガーデニアの匂いを嗅いだ時に、納得した。ガーデニアは、確かにただのホワイトフローラルだと思われがちだ。全体的にほかのものより、甘めでレモンの香りがし、爽やかでインドールの香りが強い。」

「だが、ガーデニアの本当の秘密は、一度認識すればその後はちゃんと識別できる。とめどないマッシュルームの香調なのだ。何となくオードリー・ヘプバーンが大足の持ち主だった(実際そうなのだが)ということを知ってしまったような感覚だ。」

「ベルベット ガーデニアは本当にガーデニアの香りがする。しかし、すべての香水が直面する花にはない問題を抱えている。花は継続的に香ることができるが、香水瓶は一時的にしか香ってくれない。もしもベルベット ガーデニアで5分以上ガーデニアの香りを楽しみたかったら、肌ではなく、布に吹きかけるとよい。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

小難しい説明は抜きにしてこの香りのイメージを90秒で伝えよと言われたならば、1973年にリチャード・アヴェドンがJUNのROPEのために、ローレン・ハットンを表現者として製作したこの素晴らしいCMの世界観このがこの香りのイメージだと言えるでしょう。

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香水データ

香水名:ベルベット ガーデニア
原名:Velvet Gardenia
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:デビッド・アペル
発表年:2007年3月
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/26,250円


トップノート:オレンジ、ガーデニア
ミドルノート:ジャスミン、ローズ、スズラン、チューベローズ、プラム、蜂蜜、ビーズワックス
ラストノート:インセンス、フレンチ・ラブダナム