マルセル・ウェーブにウエディング・ドレス
1929年~30年という世界大恐慌の真っ只中で結婚式を挙げるアデライン。この作品のアデラインに多くの人々が違和感を覚えるのが、その経済感覚でしょう。しかし、こういった作品において、その点を厳しく追求するのは野暮なことです。
時代を反映したマルセル・ウェーブにデコルテを隠したレトロなウエディングドレス姿が全く違和感を感じさせません。
フローラルプリント・ブラウス
1932年に、後に自分の年齢を越えていき老人ホームに入ることになるフレミングが生まれます(演じるエレン・バースティンがとても可愛い)。ヘッドドレスに、南米風のマルチカラーのフローラル柄のブラウスに、白のレーススカートを合わせていますが、映画の中ではほんの一瞬だけの登場です。
ヴェロニカ・レイク・ルック
1937年の交通事故以降、アデラインは29歳の女盛りのまま年を取らなくなります。そんな彼女のヴェロニカ・レイクを連想させるファム・ファタール・スタイルです。黒のベレー帽に赤のVネック・スカートスーツ姿は、衣裳デザイナーのアンガス・ストラティー自身が、『紳士は金髪がお好き』のマリリン・モンローから影響を受けたものでした。
黒のベレー帽と黒のショートグローブのマッチングが、赤いドレスの女に魔性の力を与えています。
ザ・スカイライナーズの名曲が流れる瞬間。
ザ・スカイライナーズの「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」が流れます。本当に美しい曲です。この曲が全米でヒットしたのは1959年なので、この時のアデラインのファッションは『アメリカン・グラフィティ』のような50年代ファッションです。
万華鏡のようなフレアスカートと同じ柄のカーディガンのデザインに、グッチのがま口バッグを娘共々持っています。