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サンタ・マリア・ノヴェッラ

【サンタ マリア ノヴェッラ】ローザ(サンタ・マリア・ノヴェッラ)

サンタ・マリア・ノヴェッラ
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ローザ

原名:Rosa
種類:オーデ・コロン
ブランド:サンタ・マリア・ノヴェッラ
調香師:不明
発表年:1999年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/22,000円
公式ホームページ:サンタ・マリア・ノヴェッラ

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1381年に作られたローズウォーターへのオマージュ。


800年の歴史を誇る世界最古の薬局として知られるサンタ・マリア・ノヴェッラが、メディチ家の盟主であるトスカーナ大公国より、正式に薬局として認可されたのは1612年のことでした。

長い歴史を誇るこのブランドから1999年に創造されたオーデコロン「ローザ」は、センティフォリア・ローズ=メイローズによって作られたローズウォーターの香りです。

古代ローマ人たちがお祭りに際し、人々はローズの花冠をつけ、いたるところにローズの花びらを撒き、祝いの雨のようにローズウォーターが振りまかれました。彼らにとってローズウォーターとは〝神聖かつ特別な香りの水〟だったのでした。

1206年に聖ドミニコにより立てられたドミニコ会は、1216年にローマ教皇ホノリウス3世によってカトリックの修道会として認可されました(当時の日本は、鎌倉幕府第3代征夷大将軍・源実朝の時代)。サンタ・マリア・ノヴェッラの歴史はこの時からはじまります。

1221年に後にサンタ・マリア・ノヴェッラ教会へと発展する小さな修道院で医療活動のためのハーブ研究が行われ、1381年にドメニコ修道士たちが修道院ではじめてローズウォーターを販売しました(当時、1346年から1353年をピークにヨーロッパ全土をペストの恐怖が襲い、消毒効果があると信じられていた)。そのローズウォーターにオマージュを捧げたのがこの香り「ローザ」です。

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厳かなグレゴリオ聖歌が血管を駆け巡るような感覚

「The Soul of the Rose or My Sweet Rose」ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 、1908年。

イタリアの陽光に愛されたベルガモットの煌きに押し出され、ハーバルなローズゼラニウムがスーっと広がっていくようにしてこの香りは甘くフレッシュにはじまります。まるで厳かなグレゴリオ聖歌が血管を駆け巡るような感覚に包まれてゆきます。

白でもピンクでもなく、凛とした赤いバラと黄色のティーローズの混じり合うような感覚が肌の上で展開されてゆきます。やがて、静々とジャスミン・サンバックの甘やかさがティーローズと溶けあい、ベースのパチョリと伝道し、ポプリのようなふるめかしさと、ほのかにミステリアスなソーピィーな余韻を残してくれます。

豪華絢爛たる華やかなローズではなく、静かに修道院の庭で咲いているような凛としたローズに、心が吸い込まれていくような香りです。

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香水データ

香水名:ローザ
原名:Rosa
種類:オーデ・コロン
ブランド:サンタ・マリア・ノヴェッラ
調香師:不明
発表年:1999年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/22,000円
公式ホームページ:サンタ・マリア・ノヴェッラ


シングルノート:ローズ