サ マジェステ ラ ローズ(バラの女王)
原名:Sa Majeste la Rose
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2000年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/10,800円
バラの一生を身にまとう香り
2018年3月21日に「ブラック&ベージュ コレクション」が「コレクションノワール」に変更され、10種類もの名香が2017年末から一挙に廃盤になりました。
この「サ マジェステ ラ ローズ(バラの女王)」もそのうちの一つでした。〝世界中のローズのいいとこだけをたっぷり詰め込みました〟というジャパネットたかたも顔負けのハッタリズム溢れるコンセプトのこの香りは、2000年にクリストファー・シェルドレイクにより調香されました。
通常ローズと言えば、液体のカラーはピンクかレッドが相場なのですが、こちらはイエローであることが特徴的です。
「バラの女王」の魅力的なところは、蕾からはじまり、花びらが開き、外敵から自己防衛しつつも花盛りの時期を迎え、やがては枯れていくというバラの一生をテーマにしたものでありながら、世界中のあらゆるバラの長所と短所を巧みにブレンドしたまるごとローズの香りという二面性にあります。
そして、この香りには、ただひとつのローズ=モロッコ産のダマスクローズしか使われておらず、他には花は一切使用せずに、世界中のローズの香りをブレンドしたかのような香り立ちを生み出そうとしたルタンス&シェルドレイクの素晴らしき乱心により生み出されました。
はじめに広がるのは、ライチにクローブが絡み合うスパイシーなフルーツの香りです。すぐに、爽やかな朝露を思わせるグリーンなローズと絡み合い、蕾の香りを連想させる香り立ちとなります。 やがて、アルデハイドとレモンにより華麗なる花びらが姿を見せるようにローズはメタリックな生花っぽい側面を見せます。
そして、ガイアックウッドにより生命力を増したローズが豊潤さを発散させる中、心をかき乱すようなスモーキームスキーな温かなラストが、ドライダウンしていく芳しきローズを惜しませるのです。
この香りを身に纏うと蜜蜂と蝶々に追いかけられます。どうしてでしょうか?
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「サ マジェステ ラ ローズ」を「すがすがしいローズ」と呼び、「石鹸とレモンのような、アルデハイドとシトロネラールの香りを経由してから、その名のとおり、中性的なイギリス庭園に漂う空気と爽やかなローズの香りにたどり着く。」
「この香りが好きかどうかは、ローズ本来の香りをどう思っているかによる(私自身は、バラは茎の上に乗っているほうが好きだ)。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:サ マジェステ ラ ローズ(バラの女王)
原名:Sa Majeste la Rose
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2000年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/10,800円
シングルノート:モロッコ産ダマスクローズ、ガイアックウッド、クローブ、ホワイトハニー、ムスク、ブルーカモミール