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ジェームズ・ボンド

ロジャー・ムーア11 『007 ユア・アイズ・オンリー』2(3ページ)

ジェームズ・ボンド
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アリスト・クリスタトスの美しいトレンチコート

アリスト・クリスタトスを演じるジュリアン・グローヴァー。

彼が着るスエードのトレンチコートは洗練されています。

グレーのスエードコートにキャメル・グローブの素敵な組み合わせ。

バックラインも文句なしにタイムレスな魅力に包まれています。

本作の悪役のボス・アリスト・クリスタトスを演じるジュリアン・グローヴァー(1935-)は、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』にも出演した名脇役です。

そんな彼が初登場するときのグレーのスエード・トレンチコートがとても素敵です。ボンドムービーにおけるファッションで最も重要な要素は、悪役の登場シーンにあるのですが、このファッションは、間違いなく合格点を叩き出しています。。

10ボタンにセットインスリーブに、黒い毛皮がラペルに装着されたグレー・スエードトレンチコートの下には、オリーブグリーンのダブルブレザーと赤いカシミアのタートルネックを着ています。このアンサンブルには、ソ連のカラーリングをイメージさせる意図があります。

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オクタゴン・グラスをつけた殺し屋

殺し屋ロックを演じるマイケル・ゴサードのスーツが特徴的です。

そして、このオクタゴン・グラスも・・・

最後はボンドに車ごと崖から蹴り落とされてしまいます。

殺し屋ロックを演じたマイケル・ゴサード(1939-1992)がつけているオクタゴン・グラスがかなり印象的です。

そして、そんな彼が初登場の時に着ているファッションも眼鏡と同じくらい個性的でした。ライトグレーのフランネルダブルスーツなのですが、ダブルのスーツにノッチラペルというのはかなり珍しいです。もっとも1970年代後半から1980年代前半にかけてプチ流行していました(このジャケットは、サファリジャケット風のパッチポケットを持っていた)。

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オーバーサイズの不恰好なジャケットを着るボンド

ボンド・ファッション的にかなりの問題シーンです。このジャケット!明らかにサイジングが合ってません。

コルテ島で、ボンドガールとぶら歩きするボンド。

美しいギリシャの海とボンドガールとボンド。

ジェームズ・ボンド・スタイル7 マリン・ルック
  • テーラー:ダグラス・ヘイワード
  • ネイビーのダブルブレザー、真鍮の6ボタン、オーバーシルエット、ダブルベンツ
  • フランク・フォスターのライトブルー・シャツ
  • グレーのギャバジントラウザー
  • ダークブラウンのローファー

そして、物語はギリシャのコルテ島へと移っていきます。ボンドムービーの醍醐味は、人生のうちで何度遭遇できるか分からないような風光明媚な世界紀行を見せてくれるところにあります。しかし、このシーンのボンドのジャケットはどう見てもウエストの調整に問題があります。

当初本作は、パルテノン神殿で撮影する予定だったのですが、許可されませんでした。

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ボンドと言えばタキシードです。

ボンドポスター史上最も有名なひとつにあげられるポスターで着ているタキシード。

ロジャー・ムーアにはタキシードが似合う。

タキソードを着てこそのジェームズ・ボンド。

シャツは『女王陛下の007』を意識した地肌が透けて見えるフロントプリーツシャツ。

素晴らしいシルエットのドレスシャツ。


ジェームズ・ボンド・スタイル8 タキシード
  • テーラー:ダグラス・ヘイワード
  • ノッチラペル・ブラックディナージャケット、くるみ1つボタン、ダブルベンツ
  • ブラックトラウザー、サイドにシルクストライプ
  • ブラックボウタイ
  • フランク・フォスターの白のフロントプリーツシャツ、マザー・オブ・パールのボタン
  • パテントレザーのホースビットローファー

ジェームズ・ボンドと言えば、タキシードです。本作において、ムーアは、スーツ及びドレスアップ・スタイルの中で、ローファーだけを徹底して履いています。それはここ数年のカジュアルミックスの流れにすごくマッチした着こなしであり、メンズファッションのトレンドは、繰り返されるものだ実感させてくれます(トム・ブラウンやブルックス・ブラザーズのようなプレッピーがすっかり流行遅れになってしまったように)。