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【カルティエ】ロードスター(マチルド・ローラン)

カルティエ
©Cartier
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ロードスター

原名:Roadster
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:マチルド・ローラン
発表年:2008年
対象性別:男性
価格:日本未発売

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〝見えないスポーツカー〟に乗っている気分になる香り

ロードスターを愛用していたジェニファー・アニストン。

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1998年にジャン=クロード・エレナの調香により発売された「デクラレーション」から、10年ぶりにカルティエが発売したメンズ・フレグランス「ロードスター」は、2005年にカルティエの専属調香師に就任したマチルド・ローランがはじめて調香したオリジナルのメンズ・フレグランスでした。

ミネラルフゼアと呼ばれたこの香りは、当時、45歳以上の顧客が中心だったカルティエのメンズ・フレグランス市場の若返りを目標に生み出されました。

2001年に発表され好評だった紳士用腕時計「ロードスター」は、50〜60年代のスポーツカー黄金時代からインスピレーションを得たという美しい曲線で構成されたトノー型ケースと、ポルシェ356スピードメーターからインスピレーションを得た文字盤、そのヘッドライトのデザインを取り入れたという3時位置の日付けを拡大表示するレンズとラグが特徴的な、新世紀に相応しいカジュアルエレガントな時計でした。

2012年に生産終了となった「ロードスター」をモチーフに作られたこの香りのキャップデザインは、竜頭がモチーフとなっています。

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ミント・ジュレップが、素肌の上でミントティーとなる香り

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ロードスター=50〜60年代のスポーツカー黄金時代の精神を〝ミント〟に投影したこの香りは、弾けるベルガモットと新緑のガルバナムの中を駆け抜けるミント・ジュレップの爽快感からはじまります。

どこか瓜っぽさも感じられるジューシーな幕開けです。すぐに大地を思わせるベチバーのアーシィーなグリーンシャワーが、ミントにスモーキーなエレガンスを与えてゆきます。

そして、甘くてアロマティックなラベンダーとパチョリが生み出す伝統的なフゼアに、うっとりするような香ばしいバニラが加わり、爽やかなグリーンアップルのような温かいミントティーの余韻で満たされていくのです。

爆発するようなミントではなく、優雅にヨーロッパの街並みの中を駆け抜けてゆく、颯爽としたポルシェ356のようなベチバーバニラに祝福されたミントです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ロードスター」を「ぬくもりのあるミント」と呼び、「オーダーメイドの香水部門で、2年間おとなしくしていたカルティエのお抱え調香師マチルド・ローランが、再び量産品部門に戻ってきた。」「今回の狙いは、どうやら「新しいフレッシュさ」らしい。トップノートにミントを使うアイデアだが、これは香水業界では禁じ手だ。練り歯磨きだと揶揄されるに決まっているからだ。」

「それにミントは扱いにくい、メントールノートは冷却剤で、ほんの一瞬しかもたないが、それ以外のミントアブソリュートとメントール結晶などはもっとハーブ的だ。仮にもメントールをリナロールほど持続させることができれば、「ジッキー」(ゲラン)をラベンダーではなくミントで調香することも可能だったかもしれない。」

「とはいえ、トップノートには一瞬の際立ったフレッシュがあり、そこからめまぐるしく展開する。まず輝くシダーウッドが眉間のしわと金時計の男らしさを表し、次にローレルが夕日の燃える輝きをブレンドしたかのように、彼女の「アトラプ クール」を思わせる「アンブル83」の温かみが出てくる。」「全体的によくまとまって、現在の男性用香水の状況から見たら、ビジネスクラスへのアップグレードに等しい。それでも私はもっといいものを期待していた。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ロードスター
原名:Roadster
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:マチルド・ローラン
発表年:2008年
対象性別:男性
価格:日本未発売


シングルノート:ベルガモット、ミント、ベチバー、パチョリ、フレンチ・ラブダナム、バニラ