オクトパス・モチーフの黄金ベッド
オクトパシー・ルック2 水色のサリー
- 水色のサリー、白の刺繍入り
当時40代になったばかりの女盛りのフェイ・ダナウェイがサリー姿で、オクトパシーを演じたならどれほどこの役柄を魅力的なものにしたのだろうかと考えると彼女の降板はとても残念なのですが、モード・アダムスのサリー姿もかなり堂に入っています。
そして、このサリーという衣裳は、どこまでも女性に風格と美意識を与えてくれる民族衣装だということがよく分かります。
竜宮城のようなオクトパシー宮殿
オクトパシー・ルック3 パジャマ
- パールカラーのシルクのパジャマ
あまり良い衣装に恵まれなかったオクトパシー
オクトパシー・ルック4 スパンコールルック
- 黒のスパンコールチュニック
- 黒のロングパンツ
衣裳に注意して女優を見ているとよく分かるのが、その女優を輝かせる撮影/カット割りが出来ているかという事です。どれほど素晴らしい衣裳を着ようとも、着せ替え人形のようにころころ衣裳が変わる作品からは、女優の魅力は発散されないものです。
そして、そんな悪循環の典型が、サーカスシーン以降のモード・アダムスの衣裳チェンジの数々です。彼女がボンドガールとしての魅力を発散できなかったのは、ジョン・グレンという監督のボンドガールを光り輝かせる才能の欠如によるものだと断言しても差し支えないでしょう。
それは、女優それぞれの撮るべきではないアングル(モードの場合は、頬骨が目立つアングル)をカメラマンのアラン・ヒュームが気にせずに撮影していたところにもあります。この作品のダメな部分は、この二人によるものがほとんどなのです。