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メゾン・マルジェラ

【メゾン マルジェラ】フラワー マーケット(ジャック・キャヴァリエ/マリー・サラマーニュ)

メゾン・マルジェラ
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フラワー マーケット

原名:Flower Market
種類:オード・トワレ
ブランド:メゾン マルジェラ
調香師:ジャック・キャヴァリエマリー・サラマーニュ
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:10ml/5,280円、30ml/11,880円、100ml/23,540円
公式ホームページ:メゾン マルジェラ

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2011年の『パリの恋人』の香り

©Maison Margiela

©Maison Margiela

メゾン マルジェラの「レプリカ」(Line③)フレグランス第二弾として、2012年10月10日に発売された3種類の調香師は、すべてジャック・キャヴァリエマリー・サラマーニュです。

それぞれの香りが、人生のさまざまな瞬間を思い出させる、「ある年」の「ある場所」をテーマにした香りになっています。そのうちのひとつ「フラワー マーケット」は、2011年のフランス、パリの思い出として、茎を切ったばかりのフレッシュな花々が集まるフラワー・マーケットをイメージした香りです。

『パリの恋人』のオードリー・ヘプバーン

恐らくこのパリのフラワー・マーケットとは、オードリー・ヘプバーンの『パリの恋人』にも登場するシテ島のフラワー・マーケットのことを指しているのだと思われます。

ちなみに2011年という一年は、3月11日に東日本大震災が起こりました。そして4月29日には、英国のウィリアム王子がキャサリン・ミドルトンとロイヤル・ウエディングを挙げました。

8月23日には、40年以上独裁国家だったリビアのカダフィ政権が崩壊しました。さらに10月5日には、アップルの元CEO、スティーブ・ジョブズが56歳で病死しました。

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爽やかなパリジェンヌ=花のある暮らしを生きる女性のための香り

©Maison Margiela

つぼみも、咲いている時も、枯れていく時も、それがすべて花であることを素肌に教えてくれる香り、それが「フラワー マーケット」です。はじまりは、つぼみのような、水滴が滴り落ちるフレッシュな緑の葉と甘いフリージアの香りからはじまります。

この香りの最大の特徴は、フレッシュ感を弾けるような柑橘ではなく、カットされた茎と砕いた葉で表現しているところにあります。(太陽に愛されるイタリアではなく)あくまでもパリです。そして、メランコリーな新緑の香りが広がるセーヌの中州にあるシテ島に私たちは佇んでいるのです。

すぐに、花が咲き誇る活気に満ちた鮮やかな花市場が、心まで華爛漫で満たしてくれます。強すぎないチューベローズとジャスミンが伴奏となる、後にジャック・キャヴァリエがルイ・ヴィトンで駆使することになるグラース産メイローズの協奏曲のはじまりです。

やがて、メイローズのフルーティさを引き継ぐように、ピーチとシダーがオークモスとひとつになって、パリのエレガンスを注ぎ込んでくれます。フレッシュな花々の舞う中、うっとりするほどうつくしい女性が、セーヌ河とエッフェル塔とヴェルサイユ宮殿をひとまとめにしたようなエレガンスを全身に投影しながら、パリの石畳の上をカツカツと音を鳴らしピンヒールで闊歩するのです。

パリのフラワーマーケットの摘み立ての花、切り立ての花、水に湿った花、踏みつけられた茎、それらすべての繊細さが息づくグリーンとフローラルのシャワーの中から現れる〝爽やかなパリジェンヌ=花のある暮らしを生きる女性〟の香りです。誰よりも早く春を運んでくれる女性の香りとも言えます。

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香水データ

香水名:フラワー マーケット
原名:Flower Market
種類:オード・トワレ
ブランド:メゾン マルジェラ
調香師:ジャック・キャヴァリエマリー・サラマーニュ
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:10ml/5,280円、30ml/11,880円、100ml/23,540円
公式ホームページ:メゾン マルジェラ


トップノート:グリーン・リーヴス、フリージア
ミドルノート:エジプト産ジャスミン、ジャスミン・サンバック、チューベローズ、グラース産メイローズ
ラストノート:ピーチ、シダー、オークモス