ジャン=ポール・ゴルチエで舞うマドンナ
「ナッシング・リアリー・マターズ」 1999年3月リリース。全米93位、全英7位
世界中が1997年に出版された「メモリー・オブ・ア・ゲイシャ」の影響下に置かれた世紀末でした。その影響は『スター・ウォーズ・エピソード1/ファントム・メナス』におけるクイーン・アミダラ(ナタリー・ポートマンが扮する)と同じように同時期にクリエイトされた本PVにも明確に見てとれます。ジャン=ポール・ゴルチエがデザインした赤色の着物の衣装を纏い、黒髪ボブ、白化粧に赤い唇のマドンナが歌います(第41回グラミー賞授賞式のパフォーマンスにおいても使用)。
このときマドンナのメイクを担当したのが、ローラ・メルシエです。ウォーターベースの白粉を使用し、眉には明るい赤のリキッド・アイブロウを使用しています。唇にも真っ赤な口紅にグロスを重ね、目元には芸者風にローズカラーのチークにフーシャピンクの顔料を混ぜて使用、さらに黒のアイライナーをしっかりと入れています。
芸者とは、色彩や気風、品格という点で日本文化の本質を象徴しているものだと思います。文化としての美をとらえる場合、ただその特徴をまねるのではなく、その本質を表現することが大切です。今回の場合、完璧な白肌にこだわることによって、それがいかに美しいかということを表現しているのです。
ローラ・メルシエ
マドンナは、このPVによって、「私はある意味囚人なのです」という現代の芸者として自分をとらえ、そのはかなげな美しさと、そこに秘められた強さを表現したのでした。
1995年にマドンナは「宝焼酎 純レジェンド」のCMに出演しました。これはこれで実に新鮮です。
マドンナ・スタイル20 キモノ・ゴルチエ
- ジャン=ポール・ゴルチエのレッド・キモノドレス。大きな赤レザーベルト付き
- レッドアームバンド
- レザーブーティ